1990 Fiscal Year Annual Research Report
大空間の温熱・空気環境形成に関する実態調査と予測モデルの開発
Project/Area Number |
01460197
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00142240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 灯 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00183658)
村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
|
Keywords | 大空間 / 温度性状 / 気流性状 / 数値シミュレ-ション / 模型実験 / 実態調査 / kーε型2方程式乱流モデル / 輻射熱伝達シミュレ-ション |
Research Abstract |
1.実態調査(平成元年度より継続実施):(1)基本デ-タの継続測定(加藤、村上担当)大規模屋内体育館(東京体育館;完全空調)を対象として大空間の内部環境(鉛直温度分布)、空調条件(吹出・吸込温度および風量)、内部負荷(人体発熱、機器発熱)、外部環境(外気温度、日射量)を長期間継続して計測(平成2年10月〜)。(2)大空間内の分布性状の測定(加藤、持田担当)(i)夏季、冬季の代表的な時期として夏季平成2年度6月25日〜28日、冬季同年3月4日〜3月10日に大規模屋内体育館を対象とした実測を行い、大空間内部の気流・温度分布、測定時の空調条件、内部負荷、外部環境を測定した。(ii)大型モニタ-を有する大規模市場(東京都大田市場;自然換気)において、自然対流に基づく換気性状及び換気効率、内部環境(鉛直温度分布)、外部環境を測定。実態調査した建物は、模型実験、シミュレ-ションにより既に大空間の温熱環境を詳細に検討済。 2.統計解析(加藤、持田担当):(1)実態調査結果を統計的に解析し、内部環境と環境形成要因(外部環境、空調条件、内部負荷)に対し、統計的に要因分析を行った。(2)上記結果を物理学的統計モデルでモデル化し、代表点の物理性状に対する予測モデルを作成。また、その予測精度を実態調査結果から検証。 3.乱流シミュレ-ション解析(平成元年より継続実施)(加藤・村上担当):(1)大空間を対象としてViollet型kーεモデルで乱流熱フラックスに通常の勾配輸送近似仮定を用いたモデルを使用し3次元乱流シミュレ-ションを実施・検討した。(2)対流場に輻射場を連成した数値シミュレ-ション手法を開発し、単純な室形状、完全拡散面、既知の吸収係数を仮定した数値シミュレ-ションを行い、実大実験の結果と比較検討した。(3)輻射環境を考慮した上記モデルに温度成層等を考慮する乱流モデルにより大空間内の分布性状予測モデルを作成中である。(3)実態調査結果デ-タを用いて上記モデルによりシミュレ-ションを行い、その予測精度を確認。 4.乱流シミュレ-ション、模型実験法の改造(加藤、村上、持田担当):上記結果を検討し、模型実験法並びにシミュレ-ション手法の改良を計る。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 村上、加藤、持田、近藤、近本: "数値解析による大空間の温熱空気環境の検討(その1、2)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 491-494 (1990)
-
[Publications] 村上、加藤、義江、近本、落合: "大規模屋内体育館の温熱空気環境に関する実測調査(その1、2)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 587-590 (1990)
-
[Publications] 義江、村上、加藤、近本、落合: "大規模屋内体育館の温熱空気環境に関する実測調査(その3)" 空気・調和衛生工学会学術論文集. 1293-1296 (1990)
-
[Publications] 近本、村上、加藤、義江、落合: "大規模屋内体育館の温熱空気環境に関する実測調査(その4)" 日本建築学会関東支部研究報告集. 65-68 (1990)
-
[Publications] 村上、加藤、近藤、近本: "乱流数値解析による室内対流熱伝達に関する研究(その1、2)" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 479-482 (1990)
-
[Publications] 村上、加藤、近藤、近本、高橋: "閉鎖空間内の対流場と放射場の連成シミュレ-ション(その1、2)" 第4回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 593-600 (1990)