1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460210
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菅原 勝彦 熊本大学, 工学部, 教授 (60109668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 克明 熊本大学, 工学部, 助手 (80205294)
中山 智晴 熊本大学, 工学部, 助手 (70207950)
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 助教授 (50135315)
金子 勝比古 熊本大学, 工学部, 助教授 (20128268)
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Keywords | 岩石 / 長期安定性 / 凍結融解試験 / 内部クラック / 画像処理 / 弾性波伝播速度測定 |
Research Abstract |
地表付近にある岩石は長い年月の間に水,熱などの影響を受けて風化する。岩石の風化作用には,機械的風化作用および化学的風化作用があると考えられ,前者は,空隙内の水などが凍結するときの応力や熱応力などの影響を受けて進行するものであり,後者は,岩石の結晶鉱物が酸化、還元などの化学作用の影響を受けて起こるものである。 岩石の風化機構を調べるための手段の1つに凍結融解試験がある。本研究では,天草砂岩にこれを適用した。この結果つぎのことが明らかとなった。 (1)天草砂岩では,凍結融解の繰り返しによって,内部クラックの拡大が起こるだけでなく,表面から剥離脱落が起こって風化が進行する。 (2)風化過程の内部クラックの拡大や表面剥離に伴う強度劣化は,岩石の初期クラック状態に密接に関係しており、その評価法の確立が望まれる。 上記の結果を考慮して,岩石内の亀裂構造分析のために画像処理法の構築を試みた。この方法を用いると,従来から広く実施されてきた顕微鏡観察による方法に比較して,岩石の健全度評価の迅速化,高精度化が図れ,また,岩石内部に浸透した水による内部の風化度まで詳細に分析することができることが明らかとなった。 最後に,岩石の長期安定性評価のための弾性波伝播速度測定と提案し,120年前に造られた石橋(天草砂岩)の安定性診断を実施し,これより得られた結果と凍結融解試験より得られた結果を比較検討し,非破壊試験法としての弾性波伝播速度測定は,岩石の長期安定性評価に非常に有効であることを認かめた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小池 克明,清水 信宏: "デ-タベ-スを用いた地盤構造解析システム開発とその応用" 情報地質. 1. 75-84 (1990)
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[Publications] 菅原 勝彦・尾原 祐三: "境界要素・特性曲線結合法による岩盤斜面の弾塑性解析" 第8回岩の力学国内シンポジウム論文集. 25-30 (1990)
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[Publications] 金子 勝比古・柴 拓海: "等価体積欠損法の閉合型亀裂問題への適用" 資源・素材学会誌. 106. 133-138 (1990)