1989 Fiscal Year Annual Research Report
減圧雰囲気中プラズマ溶射による急冷凝固形状記憶合金材料の作製とその評価
Project/Area Number |
01460216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 平 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60029840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (10150351)
村上 健児 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (60112067)
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Keywords | TiNi形状記憶合金 / 減圧雰囲気中プラズマ溶射 / 急速凝固 / 結晶粒微細化 |
Research Abstract |
目的:種々の形状記憶合金のなかでも、TiーNi合金は強度、耐久性、信頼性の点で現在のところ最も優れており、機能材料としてさまざまな面に応用されている。本研究では、減圧プラズマ溶射法によって微細な結晶粒から成るTiーNi合金の急速凝固皮膜を作製し、その変態温度や熱処理の効果を特に結晶粒径との関連で調べることを目的とする。 方法と結果:TiおよびNi粉末を等原子比に混合したのち、遊星ボ-ルミルにかけTiーNi複合粉末を作製した。この粉末粒子内ではTiとNiが非常に幅の狭い交互の層状構造をなしている。減圧チャンバ-内で、この粉末と厚さ3mmの鉄製基板上にAr+H_2を作動ガスとしてプラズマ溶射し、急速凝固させた。その際、TiがH_2を吸収する恐れがあることを考慮してH_2量をできるだけ少なくした上で、皮膜が緻密で、かつ溶射中に皮膜の温度があまり上昇しないような溶射条件を決定し、続いてこの条件で溶射を行なった。 プラズマフレ-ム内で粉末粒子が溶融すると、層状構造をなしたTiとNiが急速に反応して金属間化合物相を形成する。この反応をできるだけ進ませるように溶射距離を長くしたが、得られた皮膜のX線回折から、皮膜の構成相は大部分がTi_2Ni相であり、そのほかNi_3Ti相、TiNi相およびNi相が含まれていることがわかった。これはNiとTiの間の反応が十分に進行するための時間がなかったためと考えられる。 溶射に適した清浄なTiNipre-alloy粉末の製造が現在のところは困難であることから、pre-alloyTiNi線材を溶射材とし、減圧雰囲気中でこれを溶射して急速凝固材を作製することが適当であると考えられる。
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Research Products
(1 results)