1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460228
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大東 弘二 山形大学, 工学部, 教授 (90185372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟野 宏 山形大学, 工学部, 助手 (20202773)
彦坂 正道 山形大学, 工学部, 助教授 (60087103)
池田 進 山形大学, 工学部, 教授 (30007025)
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Keywords | 低温物性 / 高分子強誘電体 / 高分子圧電体 / 強誘電性 / 超音波トランスジュ-サ / 超音波 / P(VDF-TrFE) |
Research Abstract |
強誘電性高分子が極低温でも強い圧電性をもつと、極低温音波物性測定用の優れた超音波送受波子ができる。本研究の目的は主としてふっ素系高分子の強誘電、焦電、圧電特性を高温から低温(〜10K)までの温度範囲で求め、強誘電性の発現機構を明らかにすること、この材料を用いた超音波送受波子や焦電素子の低温での実用性を評価すること、これを用いて各種の先端機能性材料の低温音波物性を明らかにし、機能発現の機構を解明することにある。この目的のために、本年度は低温(〜10K)まで到達できるクライオスタットを設置した。 これまでにP(VDF-TrFE)の厚み振動と膜面横振動に関する電気機械結合定数KtとK31を低温度まで測定した。K31は低温では小さくなるが、Ktは〜10-400Kまでの範囲で一定の値(〜0.3)であることが分かった。したがって、P(VDF-TrFE)は〜OKにおいても高帯域の超音波トランスジュ-サとして優れた性能をもつと考えてよい。またP(VDF-TrFE)とPVDFの圧電性の起源を高温から低温(〜100K)までの圧電定数の温度依存性を通して研究し、前者は強誘電性と結合した電歪によって、また後者は寸法効果を通して圧電性が発現していることが明らかとなった。強誘電性の高分子の実用性を高めるにはさらに高温まで圧電性を保つことが望ましい。そこで、PVDFとP(VDF-TrFE)が強誘電性をもつ結晶型に結晶化する機構について研究し、高圧下でこれらの高分子の単結晶が成長することを示すとともに、これらの結晶が200℃付近まで強誘電性、従って圧電性を保っていることを明らかにした。これはまた極低温まで超音波トランスジュ-サとして作動する。また、P(VDF-TrFE)の分域構造が形成されることをはじめて示した。次年度ではこれらの結果を基礎にして、高分子強誘電材料を超音波トランスジュ-サとして、機能材料の低温の音波物性の研究を行う予定である。
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[Publications] K.Koga: "Crystallization,Field-Induced Phase Transformation,Thermally Induced Phase Transition,and Piezoelectric Activity in P(VDF-TrFE)with High Molar Content of VDF." Journal of Applied Physics. 67. 965-974 (1990)
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[Publications] H.Ohigashi: "Growth of Single Crystals of poly(vinylidene fluoride)under High Pressure" Japanese Journal of Applied Physics. 28. L1612-L1615 (1989)
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[Publications] H.Ohigashi: "Piezoelectric Properties of P(VDF-TrFE)Thin Films at Low Temperatures and Their Application to Ultrasonic Transducers for Scannig Acoustic Microscopy Operating in Wide Temperature Range." Japanese Journal Applied Physics(Supplement). 28-1. 66-68 (1989)
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[Publications] H.Awano: "Electrodeposition of the Cationic Radical Salt of 3,3^<,'>5,5'-Tetramethylbenzidine" Synthetic Metals. 32. 389-394 (1989)
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[Publications] H.Awano: "Radical Salts as Charge Transfer Complexes between Aromatic Diamines and Their Diiminum Cations" Syntetic Metals. 34. (1990)
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[Publications] M.Hikosaka: "Unified Theory of the Nucleation of Folded Chain Crystals(ECCs)and Extended Chain Crystals(ECC)of Polymers.(II)Origin of FCC and ECC" Polymers. 31. (1990)