1990 Fiscal Year Annual Research Report
急勾配渓流におけるStepーpool構造の形式とその発達に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01460230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小橋 澄治 京都大学, 農学部, 教授 (40026604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅一 京都大学, 農学部, 助手 (10144346)
水山 高久 京都大学, 農学部, 助教授 (00229717)
福嶌 義宏 京都大学, 農学部, 助教授 (00026402)
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Keywords | 山地河川 / 河道形状 / 河床形態 / 急勾配 / 渓流 / ステッププ-ル / 瀬 / 砂防 |
Research Abstract |
水路実験によるstepーpool(ステッププ-ル)形成条件に関する研究成果を実際の渓流に適用した。その資料とするため滋賀県天神川,京都府二の谷,岐阜県ヒル谷,兵庫県住吉川,富山県黒部川について,渓流の縦断測量を実施し,そこに形成されている渓流の形態を記述した。その結果,実際の河川では実験水路内で出現するような,渓床上の砂礫が全て移動する状態から階段状の河床形態(ステッププ-ル)が形成されるよりも,落石などの形式で山腹から直接河道に供給された大きな石や元々渓床上に存在していた大きな石が階段状の地形を決定していることが多いように推察された。さらに,風化花崗岩の地域である田上山地や六甲山地の渓流では基岩が渓床に露出し,これが流水によって侵食されて階段状を呈していることが多いこともわかった。そこで,前年度の研究と今年度の研究を総合して,急勾配渓流の河床形状を分類した。これらの現地資料はパソコンで解析され,本年度購入したレ-ザ-プリンタ-で出力された。また,移動床のステッププ-ル構造の形成とその発達を調べるため,実際の河川でステッププ-ルの形成が顕著な滝や人工的な落差の下流を想定した水路実験を行った。この実験の計測には前年度購入した水底形状の三次元自動測定装置を用いた。以上の研究により,山地渓流をまず砂礫床(移動床)と岩盤床(固定床)に分け,さらに渓床勾配,流量,河床材料によって,pool(淵),flat riffle(平瀬),rapid riffle(早瀬),cascade(荒瀬)に分類した。明瞭なステッププ-ルが形成されるのは荒瀬の領域であることがわかった。
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