1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460231
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
岸原 信義 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40003769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 浩一郎 佐賀大学, 理工学部, 助手 (00185232)
小川 滋 愛媛大学, 農学部, 教授 (30037973)
荒牧 軍治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60039279)
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Keywords | 林野火災 / 延焼拡大予測 / 片面燃焼 / 風洞実験 / ランドサット / 画像分類手法 / 火災跡地の植生の経時変化 / 燃焼動態 |
Research Abstract |
今年は最終年度であり、此迄の研究結果の整理・発表の準備を行なうと共に、室内・野外実験を継続して研究結果の追試に重点をおいて進めた。この報告は片面燃焼に関する研究と今後の問題点について報告する。 (1)片面燃焼は「林野火災の化石」であり、最も重要な情報が秘められていると云う、我々の仮説に基づいて風洞を用いた室内実験と奈良の若草山・山口県秋吉台・福岡県平尾台における山焼きを利用して、片面燃焼の研究を行なった。その結果、林野火災現場の風向は主風向に影響されず、火災による対流風が卓越する事が確かめられ、片面燃焼調査により、火災時の風向が把握出来る事が確認出来た。 (2)林野火災現場における風速は、燃焼方向と火災の進行方向との関係により異なり、先ずその各々の場合における風速の推定式を室内実験により作成した。 (3)この風速実験式を山焼きを利用した実験杭の片面燃焼とビデオを利用した火災動態図・風速計による計測等を利用して、火災現地での検証を行い、適合性を確かめた。 (4)燃焼速度の推定式であるRothermel式を室内・野外実験で検討し、風速の割り増し係数の推定式を修正する事によりわが国でも適合出来る事を明らかにした。 (5)今後の問題点としては、最近わが国に大規模林野火災が発生せず、片面燃焼の野外実験がカルスト台地の草地の火入れを利用して設置した実験杭だけであるので、大規模林野火災の多発地である北米やギリシャなどの火災跡地で検証する必要がある。更に火災程度分類図作成のためのランドサット解析には日陰の補正を行なう必要があるが、従来の補正方法には問題があり、今回提案した手法に改良を加え完成させる事が望まれている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Samarakoon,L.: "ランドサットデ-タによる林野火災燃焼程度の分類手法に関する検討ー修正教師なし分類法の提案ー" 日本リモ-トセンシング学会誌. 10. 5-12 (1990)
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[Publications] Samarakoon,L.: "Estimation of the Severity of Fire Damage and the Recoverry Using Landsat Data." 日本緑化工学会誌. 16. 17-26 (1991)
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[Publications] Lapitan,R.: "Automated Spatial Mapping and Inventory System for Analyzing Forest." Proc.of IUFRO An International Symposium. 166-175 (1991)
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[Publications] Samarakoon,L.: "A Method to Minimize Reference Date in Classifing Satellite Remote Sensing Data into Land Cover Classes." Proc.of Pacific Ocean Remote Sensing Conferences.(論文受理). (1992)
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[Publications] 井上 章二: "林野火災における樹木の片面燃焼に関する基礎的研究ー風洞実験による風速推定式の検討ー" 日本火災学会論文集.
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[Publications] 井上 章二: "林野火災延焼地域内の風向・風速の動向ー山焼きを利用した現地実験ー" 日本林学会誌.