1989 Fiscal Year Annual Research Report
中層トロ-ル漁法の漁獲過程と対象生物の行動生理に関する研究
Project/Area Number |
01460233
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
有元 貴文 東京水産大学, 海洋生産学科, 助教授 (20106751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健 東京水産大学, 食品生産学科, 助教授 (90100966)
岡本 信明 東京水産大学, 資源育成学科, 助教授 (40114912)
稲田 博史 東京水産大学, 海洋生産学科, 助手 (90176397)
斎藤 清隆 東京水産大学, 海洋生産学科, 助手 (30111686)
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Keywords | 中層トロ-ル / 漁獲過程 / 漁具計測 / 漁具設計 / 視覚生理 / 遊泳行動 / 運動生理 / 疲労 |
Research Abstract |
中層トロ-ル漁法は二百海里時代の漁獲技術として世界的に注目を集め、また急速な技術革新の進んでいる分野である。本研究は中層トロ-ル漁法の漁獲過程を明らかにすることを目的とし、研究組織として漁具計測、漁具設計、魚類生理、魚群行動並びに生化学といった各研究分野からの知識と技術を集積し、総合的な研究を進めてきた。先ず、北海道釧路沖において中層トロ-ル試験操業船に乗船し、操業時の漁撈作業に関する時間計測を行い、従来型の着底トロ-ルとの比較で操業システムを解析し、曳網水深制御方式の把握を試みた。また、漁具水中形状を超音波遠隔計測法により測定し、安定曳網時の静的特性と曳網条件変更時の動的特性について検討を加えた。対象生物の生理特性については運動生理と視覚生理を以下のような手法で検討した。まず、運動特性については漁獲されたスケトウダラから筋肉標本を採取して研究室に持ち帰り、乳酸、ATP等の生化学分析により疲労状態の検討を行った。これに関連して漁獲固体を船上で水槽に収容し、安静状態において疲労からの回復過程をおって筋肉標本を採取した。また、スケトウダラの遊泳能力を検討する目的で筋肉の収縮時間を船上で水温条件を変えて測定した。視覚生理特性については、漁獲物から眼球を標本として採取し、網膜組織標本の顕微鏡観察により漁獲物網膜の明暗順応度並びに視精度を測定した。対象生物の生理的特性に関するこれらの研究成果を実際に漁具に対する行動特性として把握するために水中ビデオカメラによる観察を初めて試み、網内での遊泳行動を記録することができた。小型回流水槽による実験ではマアジを実験魚として流速を10〜200cm/SECに変化させて遊泳行動を観察するとともに、筋電図による普通筋と血合筋の役割、及び遊泳による疲労条件と乳酸、ATP量の生化学的分析結果とを総合させて、マアジの遊泳運動の行動様式と生理特性を解明した。
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