1989 Fiscal Year Annual Research Report
生体防御ならびに上皮系培養細胞における細胞内情報処理の物理化学的研究
Project/Area Number |
01460242
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加茂 直樹 北海道大学, 薬学部, 教授 (10001976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健司 北海道大学, 薬学部, 助手 (80183953)
上田 哲男 北海道大学, 薬学部, 助教授 (20113524)
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Keywords | 真性粘菌 / 活性酸素 / ヒフ上皮細胞 / 高度好塩菌 / ホボロドプシン / プラズマ重合 / 水晶振動子 |
Research Abstract |
(1)真性粘菌は青色光ないしは紫外光から逃げる。この負の走光性は酸素が存在しない条件下では起らないこと及び光照射による活性酸素の生成の作用スペクトルと走光性のそれとがよい一致を示すことから、この走光性の発現には活性酸素が介在している。ミトコンドリアの呼吸阻害剤であるN^ー_3を作用させると、塩などの化学物質に対する走化性は不変で青色光に対する走光性のみが選択的に抑制された。これは走光性発現にミトコンドリアが関与していることを示す。 (2)真性粘菌のリン脂質の空間分布を測定した。Phosphatidyl ethanol amineの含量が細胞の周辺部と中心部では大きく異っていた。また、種々の化学刺激によって、その量が変動した。 (3)ヒフ上皮細胞に種々の薬物を与えたときの細胞内カルシュウムの変動を測定した。 (4)ブタのヒフ上皮細胞に紫外線を照射したときの活性酸素を測定するための基礎実験を行った。クロリン素、ロ-ダミン系色素を選び、過酸化水素を細胞に与えたときのこれら色素による蛍光量の変化を、フロ-サイトメトリ-で調べた。本年度は方法論の確立をめざして実験を行ったので、次年度は実際にヒフ上皮細胞に光照射を行い、活性酸素の生成を測定したい。 (5)高度好塩菌の走光性の受容色素タンパクの1つであるホボロドプシンの光化学反応を詳細に調べた。また、この色素をほとんど単一にまで、精製することが出来た。 (6)人工モデル膜を用いた情報処理変換機構の研究として、プラズマ重合膜及び水晶振動子を用いたセンシングシステムの研究を行った。
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[Publications] S.Kurosawa,N.kamo,D.Matsui and Y.Kobatake: "Gas sorption to Plasma-Polymerized corper phthalocyanine film formed on a Piezoelectric Crystals" Analytical Chemistry. 62. 353-359 (1990)
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[Publications] S.Kurosawa,N.Kamo,Y.Kobatake,I.Toyoshima: "Plasma-polymerized membrane electrode selectine for lipophilic cations" J.Membrane Science. 46. 157-166 (1989)
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[Publications] H.Tomioka,N.Kamo: "Photochemistry of phoborhodopsin II" Biophysical Journal.
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[Publications] H.Tomioka,J.Hirayama,N.Kamo,J.Ohtomo: "Purification and chracterization of phoborhodopsin II" EMBO Journal.
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[Publications] Y.Osawa,T.Ueda,N.Kamo,H.Toizumi: "Change in intracellular calcium level of keratinocyte" Biochimica et Biophysica Acta.
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[Publications] 加茂直樹、富岡寛顕: "生化学実験法(分担出筆)" 東京化学同人, (1990)