1990 Fiscal Year Annual Research Report
近筋細胞膜のイオンチャネルの再構成:イオンチャネル活性を指標とした脂質ー蛋白質相互作用及び膜ー細胞質相互作用の研究
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01460269
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桐野 豊 九州大学, 薬学部, 教授 (10012668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶋 尚英 九州大学, 薬学部, 助手 (10192296)
安西 和紀 九州大学, 薬学部, 助手 (70128643)
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Keywords | 心筋細胞膜 / イオンチャネル / 脂質平面膜法 / L型Caチャネル / ジヒドロピリジン化合物 / 活性酸素 |
Research Abstract |
1.心筋細胞膜調製法の改良ーーー従来、複数回の抽出操作を行っていたが、L型Caチャネルに特異的に結合するジヒドロピリジン化合物(DHP)結合活性を各抽出操作毎に測定したところ、結合活性が高い画分は2回目までの抽出で得られることがわかった。この結果をもとに調製法を改良し、チャネル含量の高い試料を得られるようになった。 2.心筋細胞膜L型Caチャネルの精製ーーー心筋細胞膜を放射性DHPで標識し、ジギトニンで可溶化後、WGAアフィニティ-クロマトグラフィ-を用いて部分精製した。次いで、骨格筋L型Caチャネルに対するモノクロ-ナル抗体を固定化したカラムにかけ、酸性緩衝液で溶出することにより約160倍にまで精製した。抗体カラムからの溶出条件を緩和な1%Triton Xー100にすると、まずDHP結合画分が溶出され、続いて酸性緩衝液にすると抗体結合部位であるα_2δサブユニットが溶出された。後者の画分にはDHP結合活性はなく、SDSゲル電気泳動法を行うと、非還元下で分子量178K、還元下では143K、14K及び13Kの蛋白成分が染色された。分子量143Kは心筋のα_2サブユニット、14K及び13Kはδサブユニットと考えられる。前者の画分のフルオログラフィ-を行うと、還元下及び非還元下のいずれにおいても分子量172Kの位置が感光し、これが心筋のα_1サブユニットであることが示された。以上より、精製されたブタ心筋L型Caチャネルには、分子量172KでDHP結合部位をもつα_1と、分子量178Kで抗体結合部位をもつα_2δ各サブユニットが存在することが明らかになった。 3、脂質膜に対する活性酸素の影響ーーー心筋細胞膜から抽出したリン脂質及び数種の外在性脂質を用いて平面膜を作製し、活性酸素の影響を調べたところ、膜コンダクタンスは変化しなかった。即ち、心筋膜における酸素障害において、脂質は第一の標的ではないことが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Naohide Hirashima: "Comparative Electrophysiological Study of Reconstituted Membrane Preparations of the Potassium Channel of the Rabbit Skeletal Muscle Sarcoplasmic Reticulum" Biochim.Biophys.Acta.
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[Publications] Yutaka Kirino: "PatchーClamp Measurement of Ion Channels in Biomembrane Vesicles Riconstituted into Giant Proteoliposomes by FreezeーThawing without Use of Detergent" Methods Neurosci.4. in press
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[Publications] Kazunori Anzai: "Formation of Ion Channels by Synthetic Basic Peptides in Planar Lipid Bilayer Membrane" Biochim.Biophys.Acta.
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[Publications] 桐野 豊: "機能再構成(イオンチャネル)in「レセプタ-」" 朝倉書店,