1989 Fiscal Year Annual Research Report
スカンディナビアIMS磁力計アレイデ-タの取得とそれによる地磁気短周期変化の研究
Project/Area Number |
01460272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒木 徹 京都大学, 理学部, 教授 (50025433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家森 俊彦 京都大学, 理学部, 助手 (40144315)
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Keywords | スカンディナビア磁力計アレイ / 磁力計ネットワ-ク / 磁気嵐急始部 / 地磁気脈動 / 国際磁気圏観測計画 |
Research Abstract |
西ドイツミュンスタ-大学から移管されたスカンディナビア磁力計アレイ(SMA)デ-タは、北欧36地点で国際磁気圏観測計画(IMS)期間(1977-79年)を含む5年間に観測された時間分解能10-20秒の地磁気3成分デ-タであり、35mmフィルムに複写され直径40cmの大リ-ル42巻に収納されている。これを研究に使える形にするため、オリジナルフィルムを複写し内容をチェックした後リ-ダ-プリンタにかけられるよう小リ-ルに分割し整理保存する作業を行なった。これは、このデ-タが世界に2セットしかない貴重なものであるのでオリジナルフィルムを傷つけずに保存する手段でもある。複写は無事終ったが、その結果できた567本の小リ-ルデ-タの内容のチェックと整理は現在なお進行中である。しかし、一部の整理ずみデ-タを用いて磁気嵐急始部(SC)についての解析を行なうことができた。結果は下記の通りである。 1979年1月9日0340VT(現象A)と4月5日0150VT(現象B)の2つのSC現象につき北米IMS磁力計ネットワ-クの18観測所のデ-タをプロットし北欧12観測所のデ-タとの比較を行なった。2つの現象は共に北欧が早朝、北米が日没前後の時間に起っており、SCのパルスに続いて周期5-10分の振動(Psc)が生じている。地磁気南北成分は、北欧と北米でほぼ同位相で、また、現象Bでは逆位相になっている。一方、東西成分はA,B両現象ともほぼ同位相で現われている。今までの地磁気脈動の統計的研究からは、脈動の偏波の向きが地方時10-20時の子午面付近で逆転するとされており、似た地方時に生じたA,B二つの現象の位相関係がなぜ逆になるのか今後調べるべき興味ある問題である。 デ-タの整理を早急に終え、次年度には、SCと脈動の微細構造と経度依存性を明らかにするための解析を行う予定である。
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