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1989 Fiscal Year Annual Research Report

ニトロ基を含む新しい型の芳香族基底三重項状態分子種の研究

Research Project

Project/Area Number 01470007
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

樋口 治郎  横浜国立大学, 工学部, 教授 (20017875)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 八木 幹雄  横浜国立大学, 工学部, 助教授 (00107369)
Keywords基底三重項状態 / 電子スピン共鳴 / 光化学反応 / 単結晶 / 磁気的性質
Research Abstract

我々の研究室において、2-ニトロビフェニル(2-NBP)を77Kで紫外線照射すると、90K以下の剛体溶媒中で安定な、新しい型の基底三重項状態分子種が生成することが見出された。しかし、その構造については不明な点が多いため、2-NBPの単結晶を紫外線照射して生成する三重項状態の分子種を、結晶軸の周りに回転して電子スピン共鳴(ESR)の測定を行い、その立体構造について検討した。また、類似の光化学反応を起す2,2′-ジニトロビフェニルをエタノ-ル剛体溶媒中で紫外線照射し、5Kから50Kの間でESRスペクトルの強度変化の測定を行い、生成した分子種の基底状態が三重項状態であることを明らかにした。
さらに、2-NBPの2′-,3′-,および4′-メチル置換体を合成し、これらの分子についても紫外線照射により77Kで安定な三重項状態の分子種が生成することを明らかにした。また、2-NBP基を分子内に二個含むビス((2-ニトロビフェニル)-n′-メチル)エ-テル[n′=2′,3′,4′]を合成し、それらの紫外線照射により生成する分子種の磁気的性質を検べるため、これらの分子を合成する際の中間生成物である2-NBPのカルボキシ、ヒドロキシメチル、メトキシメチル等の置換体についても同様の実験を行った。その結果、これらの2′-および3′-置換体からは、77Kで安定な三重状態の中間体が生成することが確認されたが、4′-置換体からは三重項状態の分子種の生成は認められなかった。立体障害の少い4′-置換体とは異り、2′-置換体から三重項状態の分子種が生成する点については、2′-置換体における置換基が立体障害のため2-NBP基の電子構造にわずかしか影響をおよぼさないためと考えられる。

URL: 

Published: 1993-03-26   Modified: 2016-04-21  

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