1989 Fiscal Year Annual Research Report
クラスタ-展開法を利用した新しい波動関数理論の開発とその応用
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01470008
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
平尾 公彦 名古屋大学, 教養部, 教授 (70093169)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中辻 博 京都大学, 工学部, 助教授 (90026211)
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| Keywords | 電子状態理論 / 電子相関問題 / クラスタ-展開法 / electron cusp条件 / 電子間の座標をあらわに含む理論 / SAC法 / SAC-CI法 |
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| Research Abstract |
本研究は多電子波動関数および1電子関数からの理論計算による誤差を最小限にとどめ、実験値と比較し得る精密な量子化学計算を可能にする分子理論の開発を目的としている。平尾は電子間の座標をあらわに含む波動関数理論を開発した。これにより、electron cusp条件を満足する高精度の理論が提唱された。電子間の座標をあらわに含む波動関数は、分子積分が解析的に求まらないなど多くの数学的困難をかかえていた。平尾は、摂動論と組み合わせることにより、波動関数の特異点を解消する簡潔な理論を開発し、同時に数学的困難を解決した。原子に応用した結果では、1電子関数(基底関数)の収束が極めて早く、4次の摂動論で実測値に近い値が得られることが実証され、新しい理論がきわめて有望であることがわかった。現在、分子系に応用すべく、ソフトウェアの開発を行っている。中辻は、クラスタ-展開法の一般化をはかり、分子のポテンシャル曲線、特に、解離極限付近を精度良く記述する理論を開発した。多配置参照関数と高電子励起(3電子・4電子励起)を考慮することで、さまざまな励起状態やイオン化状態を統一的に高精度に記述できるクラスタ-展開法を導いた。いくつかの簡単な系(厳密解の存在する系)に応用し、数値的に精度を検証した。両者の間で、2つの理論を統一することをめざしており、その理論的方針も明らかになりつつある。この統一に成功すれば(平尾の1電子関数の改善、中辻の多電子関数の改善)分子系に対する高精度の量子化学計算が可能になるものと思われる。なお、平尾はこの研究成果を平成2年3月に開催されるサンニベル理論化学会議(アメリカ)で発表し、中辻は平成2年1月イギリスで開催された理論化学シンポジウムで発表した。
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[Publications] K.Hirao: "Iterative Method for the Solution of Large Systems of Linear Equations" J.Comput.Phys.80. 232-242 (1989)
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[Publications] J.A.Sunner,P.Kebarle and K.Hirao: "Hydride-Transfer Reactions.Temperature Dependence of Rate Constants for i-C_3H_7^++HC(CH_3)_3=C_3H_8+C(CH_3)_3" J.Phys.Chem.93. 4010-4016 (1989)
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[Publications] K.Hirao and P.Kebarle: "SN^2 Reaction in the gas-phase.Transition states for the reaction:Cl^-+RBr=ClR+Br^-where R=CH_3,C_2H_5,and iso-C_2H_7" Can.J.Chem.67. 1261-1267 (1989)
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[Publications] E.Kawai,M.Kawasaki and K.Hirao: "Vacuum UV Photoabsorption Spectra of Silane and Disilane:Molecular Orbital Calculation of Electron Spectra" Japanese J.Applied Phys.28. 247-251 (1989)
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[Publications] H.Wasada and K.Hirao: "Computational Studies of Satellite Peaks of Inner-Valence Ionization of C_2H_2,C_2H_4 and H_2S using the SAC-CI Method" Chem.Phys.138. 277-290 (1989)
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[Publications] H.Wasada and K.Hirao: "Theoretical Study of the Pseudorotational Reaction of Penta-Coordinated Phosphorus Trigonal Bipyramidal Compounds"
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[Publications] K.Hirao: "The SCF Theory The SCF Theory.The Cluster Expansion of Wavefunction Formalism" Elsevier,
