1990 Fiscal Year Annual Research Report
星間空間および低温プラズマ中の活性種のマイクロ波分光法による検出とその構造の解明
Project/Area Number |
01470015
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
谷本 光敏 静岡大学, 理学部, 助教授 (40207197)
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Keywords | マイクロ波分光 / 不安定分子 / 低温プラズマ / 星間分子 / 珪素化合物 |
Research Abstract |
前年度に引続き不安定活性種の回転スペクトルを測定するために感度の高い分光器を製作し、その感度、精度を検討した。さらに放電により生成する活性種のマイクロ波スペクトルを測定した。多くの場合不安定分子は極めて反応性に富んでおり、シュタルク電極のような金属が存在すると金属表面での反応により急速に分解するので、広い面積の電極を持たない自由空間型セルを製作した。セルは長さ2m、直径10cmのパイレックス管製で、マイクロ波集光と真空保持のためにセルの両端にテフロンレンズを取り付けた。ラジカルなどの常磁性分子による吸収線を通常の分子のスペクトルから区別するためにセルにゼ-マンコイルを巻いた。またスペクトル強度の増大する低温でも測定できるように液体窒素で冷却できる銅の円筒をセルに密着させて設置した。セル内に変調用電極がないので光源変調を利用して、感度を向上させた。すなわち、クライストロンのリペラ-電圧に周波数50kHzの方形波を位相をπだけずらして重ねあわせた二重方形波を重畳し、周波数変調をかけた。吸収の検出を変調周波数の2倍の100kHzで行なうことにより、二次微分形のスペクトル線を得た。マイクロ波周波数を正確に測定できるようにシンセサイザ-、シンクロナイザ-から成るル-プを用い、基準となるXー13クライストロンからのセンチ波を0.1kHzまで安定化することができた。この装置の感度および精度を硫化カルボニルOCS分子のマシクロ波スペクトルを測定し、検討した。自由空間型セルを使用し、吸収強度が1×10^<ー8>cm^<ー1>の吸収線まで観測可能であった。また、SiCl_4分子の直流グロ-放電により不安定分子のSiCl_2のスペクトルを観測した。さらに、HSiCl_3分子のグロ-放電により生成した未知の分子の回転スペクトルを観測した。以上のことから本装置により、新しい不安定短寿命分子の回転スペクトルが観測できることが明らかになった。
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[Publications] M.Tanimoto,S.Saito,S.Yamamoto,K.Kawaguchi: "Microwave Spectrum of CCS Radical in Vibrationally Excited States" Proc.PACIFICHEM Symposium “Chemistry and Spectroscopy of Interstellar Molecules".