1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470029
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
松本 毅 北海道東海大学, 工学部, 教授 (00000711)
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Keywords | イソキノリンアルカロイド / レセプタ- / リガンド / ド-パミン / 精神薬理 / エンゴサク |
Research Abstract |
中国産エンゴサクの塊茎の、メタノ-ル抽出物を濃縮し、十分硫酸酸性とした後、塩化メチレンで抽出した分画(F1)と、硫酸層をアンモニア水でpH10として塩化メチレンで抽出される分画(F2)にはラット線状体D2レセプタ-に結合する物質が含まれていた。結合は〔^3H〕スピペロン結合実験によってしらべられた。F1は非塩基性と予想され、一方従来非塩基性D2レセプタ-結合物質は知られていなかったから、F1の活性成分に興味が持たれた。この分画をゲルろ過、シリカゲルクロマトグラフィ-により、〔^3H〕スピペロン結合実験を指標として分離したところ、(+)ーCorydaline、(+)-Corybulbine、Dehydrocorydaline、8-Oxocoptisine、(-)-Isocorypalmine、(±)-Glaucine、1、2、9、10-Tetramethoxy-7-oxoaporphine(A)、緑色アルカロイド Corunnine(B)が単離確認された。ほかにHPLCによる標品との比較からTetrahydropalmatine,Tetrahydroberberineの存在が明らかにされた、A,Bは従来エンゴサクに存在が知られていなかったものである。単離されたものの大部分はアルカロイドであり、塩基性を示すはずであるが、F1分画に多量に移行する理由については、今後研究の予定である。F2にも同様の成分が含まれており、分離確認された。ただし成分比はことなる。上記のイソキノリン系化合物のなかで、スピペロンに際立ってきっ抗するのはIsocorypalmineであって、IC_<50>値0.011μg/mlである。ほかのものは、例えばCorydaline 83.0μg/ml,Dehydrocorydaline 28.1μg/mlであり、Isocorypalmineが活性重要成分であることを確認した。HPLCでは、上記のもののほかにも未確認微量成分が多数含まれており、それらのものの単離、構造、生物活性の研究が今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Hirayama: "4-AMINOPYRIDINE-2,3-DICARBOXYLIC ACID FROM CLITOCYBE ACROMELALGA" Phytochemistry. 28. 1133-1135 (1989)
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[Publications] 松本毅: "エンゴサクの中枢薬理" 神経精神薬理. 12. (1990)