1990 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素の分配とイオニウム年代測定法によるマグマの形成進化の研究
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01470042
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
長澤 宏 学習院大学, 理学部, 教授 (80080464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 孝昭 学習院大学, 理学部, 助手 (90080473)
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Keywords | ジルコン / ハフノン / 分配係数 / 拡散定数 / ウランーイオニウム年代 / マグマ / ウラン / トリウム |
Research Abstract |
昨年度の研究で溶触珪酸塩からジルコンを直接合成することは困難なことがわかったので,フラックスを用いてジルコンを合成した。この合成では,Hfの他微量元素として,U,Th,重希土類元素が天然火山岩中ジルコンと同程度含まれるように加えられた。この合成ジルコンの各元素の分配係数と火山岩中のジルコンの分配係数(石基ガラス中の各元素濃度をジルコン晶出時のマグマの液組成と仮定して求めたもの)を比較した。その結果はきわめて良い一致を示し,火山岩中の斑晶ジルコンについて,石基ガラスをマグマの液体と考えた分配係数が正しいことが確認された。 マグマ中で早期に晶出した斑晶ジルコンの元素分布が拡散によりどのように変化するかを見る目的で,純粋なジルコン(ZrSiO_4)とハフノン(HfSiO_4)を合成し,両者を接着することにより,また純粋なジルコンを芯に,ハフノンをエピタキシャルに成長させたものを用いて,約1400℃におけるZrとHfの拡散定数を求めた。この拡散定数を石英安山岩マグマの温度800〜900℃になおすと,ジルコン粒子中のZr,Hfは10^4年程度ではほとんど移動しないことが明かになった。U,Thの拡散定数を,これらとほぼ同じと考えると,マグマ中で早期に晶出したジルコン中のU,Th同位体の分布は10^4年以上たっても保持されていることが明かになった。 1985年に南米コロンビアのネバド・デル・ルイス火山から噴出した軽石試料のジルコン・ガラスのペアにより求められたラウンーイオニウム年代が1万年を越したが,その原因をジルコンのU,Thの分配係数と軽石中主構成鉱物の組み合せの関係でジルコンが斑晶か捕獲結晶かを考察した。その結果,ルイス火山軽石のジルコンは斑晶と捕獲結晶の混合物であることが明かになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 福岡 孝昭: "テフラ中ジルコン・ガラスによるウランーイオニウム年代測定とマグマの寿命" 月刊地球. 13. (1991)
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[Publications] K.Suzuki and H.Nagasawa: "HfーZr interdiffusion in synthesized zircon single crystals" Geochemical Journal.
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[Publications] H.Nagasawa and M.Morioka: "Diffusionーcontrolled fractionation of trace elements" Geochemical Journal.
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[Publications] T.Fukuoka: "Trace element partition between zircon and acidic magma:An implication to the evaluation of UーIo age by zircon and glass pair" Geochemical Journal.