1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470059
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
朝木 善次郎 京都大学, 工学部, 教授 (90026005)
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Keywords | 銅製錬 / 反応工学 / 銅精鉱 / 非等温酸化反応 / 自溶炉 / 酸化溶融 / 界面反応速度 / 反応性 |
Research Abstract |
垂直反応管内にO_2ーN_2混合ガスを流し,平均粒子径62ないし84μmの組成の異なる4種類の銅精鉱粒子を落下させ、非等温酸化反応過程について検討した。反応管には、高さ180cm,内径2cmまたは3cmの普通鋼管を用い916Kないし1168Kの温度に加熱した。また、銅精鉱には、その組成がCuFeS_2に近いもの(A),これに13mol%のFeS_2が混在するもの(B)、32mol%のFeS_2が混在するもの(C),さらにCu_9Fe_9S_<16>が54mol%,Cu_5FeS_4が46mol%からなる精鉱(D)を用いた。得られた結果はつぎのようである。 (1)反応管内を落下するにつれ,銅精鉱粒子は極めて速やかに着火し,反応管上端からの落下距離60cmの位置で、融点1324K以上に達し,溶融するが,反応管下部では反応速度が遅くなるため、粒子温度は低下する。 (2)焼鉱をX線回折した結果,CuFeS_2の熱分解で生成するCu_5FeS_4とFeSのうち、FeSの酸化反応速度は極めて速く、反応生成物は事実上Cu_5FeS_4とFe_3O_4とからなると考えてよいことがわかった。この結果をもとに,銅精鉱粒子の非等温酸化反応を、Cu_5FeS_4とFe_3O_4からなる反応生成物層と銅精鉱の未反応核から構成される1界面未反応核モデルで記述し、粒子の酸化溶融過程の解析を行うことができた。 (3)このモデルを用いて,計算による銅精鉱粒子の脱硫率が実測値に一致するように,界面反応速度の頻度因子k_0を決定した。同一の銅精鉱粒子を用いた実験では、k_0はO_2ーN_2混合ガスの酸素分圧が高くなるに従って小さい値を示した。組成がほゞCuFeS_2に近い銅精鉱粒子のk_0が最も高く、これにFeS_2が混在するときは、その量が多くなるにつれ低下する。また,Cu_5FeS_4とCu_9Fe_9S_<16>とからなる銅精鉱粒子のk_0はさらに小さくなる。
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