1990 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマの加熱下のメタルプ-ルにおけるマランゴニ流発生機構の解明
Project/Area Number |
01470060
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
向井 楠宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60023173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和才 京子 九州工業大学, 工学部, 助手 (90128124)
中村 崇 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20112360)
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Keywords | プラズマ加熱 / メタルプ-ル形状 / マランゴニ流 / 直接観察 / 溶融鉄一酸素合金 / 溶融鉄一硫黄合金 / 表面張力の温度係数 |
Research Abstract |
1.Feー0系のメタルプ-ル内の流動挙動:Feー0系の固体鉄試料をアルゴン雰囲気中でプラズマア-ク加熱し,メタルプ-ル表面に浮かべた高融点の酸化物の動きを高速度カメラ等を用いて直接観察した.低酸素濃度試料を用いた場合,メタルプ-ルの中央部から周辺部の方向の流れ(外向流)が起こっていると推測される結果が得られた.逆に,高酸素濃度試料ではメタルプ-ルの周辺部から中央部の方向への流れ(内向流)が観測された.Feー0系融体の表面張力を測定したところ,酸素濃度の増加にともなって表面張力の温度係数は変化し,酸素濃度0.007mass%以下の酸素濃度では負,それ以上の酸素濃度では正の値となった.試料の酸素濃度の違いによって表面張力の温度係数の符号が変化することから,上記のメタルプ-ル内の流動挙動をマランゴニ流で説明できた.表面張力の温度係数と,メタルプ-ルの幅Wと深さDの比D/Wとの関係は明瞭な直線関係にあることがわかった.以上の結果から,メタルプ-ル内の流動挙動はマランゴニ流が支配的であることが明らかとなった. 2.FeーCーS系のメタルプ-ル内の流動挙動:アルゴン雰囲気下で,炭素濃度一定のFeーCーS系融体の表面張力測定を行った.その結果,溶鉄の表面張力は硫黄濃度の増加にともなって減少した.また、表面張力の温度係数は,低硫黄濃度において負となり,高硫黄濃度では正となった.表面張力の温度係数の符号は硫黄濃度0.01mass%〜0.02mass%付近で変化することを明らかにした.また,FeーCーS系試料をプラズマア-ク加熱し,メタルプ-ルの溶け込み形状を調べた.試料中の硫黄濃度が増加するにしたがって深い溶け込み形状を示した.表面張力の温度係数と溶け込み形状との関係は,FeーO系の場合と同様に説明できることがわかった.
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