1990 Fiscal Year Annual Research Report
超音速分子ジェット/シンクロナススキャンルミネッセンス分光分析法の研究
Project/Area Number |
01470065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 信彦 九州大学, 工学部, 教授 (00037673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 祐司 九州大学, 工学部, 助手 (70152999)
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 助教授 (30127980)
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Keywords | レ-ザ-分光分析 / 超音速分子ジェット / 蛍光分析法 / シンクロナススキャンルミネッセンス法 / 微量分析 / 多環芳香族化合物 / アントラセン誘導体化合物 / 石炭液化油 |
Research Abstract |
超音速分子ジェット分光分析法は、極めて選択性に優れた分析である。しかし実試料中には数多くの分子種が含まれるため、さらに選択性の高い分析法を開発する必要がある。そこで本研究ではシンクロナススキャンルミネッセンス法に基づく超音速分子ジェット法について検討した。 1.前年度に開発したノ-マル/リバ-ス(N/R)シンクロナススキャンルミネッセンス(SSL)分光法に基づき、アントラセン誘導体の分析について検討した。まず7種の化合物を混合した試料を分析したところ、NーSSLスペクトルには10本、RーSSLスペクトルには31本のピ-クが観測された。試料中の5成分(5ピ-ク)については、本献を基に作成したデ-タベ-スから直ちに帰属できた。残りの2つの成分については標準試料のNーSSL及びRーSSLスペクトルの結果を参照しながら帰属を行った。ついで北海道産の石炭液化油を分析したところ、NーSSLスペクトルには6本、RーSSLスペクトルには19本のピ-クが観測された。デ-タベ-ス等により、アントラセン、1ー及び2ーメチルアントラセンが存在することがわかったが、約20%のピ-クは標準物質のデ-タがなく帰属が行えなかった。 2.超音速分子ジェット法は構造が類似した分子種を選択的に検出することができる。しかし構造が大きく異なる化合物を選択的に検出することが困難である場合が少なくない。たとえばmートルイジンを測定する際に2ーメチルナフタレンが存在すると、スペクトルが複雑になり成分の同定が困難になる。しかしながら本法ではこの様な場合でも各成分のみの単純なスペクトルが得られ、選択的な分析が可能なことがわかった。 一方、本研究では多光子イオン化/質量分析法と励起/蛍光法が同時に適用できる複合検出法を開発し、スチレンやポリカ-ボネ-ト等の高分子材料の熱分解性生物の分析についても検討した。
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[Publications] Totaro Imasaka: "Supersonic JetーSynchronous Scan Luminescence Spectrometry of Naphthalene Derivatives" The Analyst. 115. 73-77 (1990)
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[Publications] Totaro Imasaka: "ThinーLayer Chromatography with Supersonic Jet Fluorometric Detection" Analytical Chemistry. 62. 374-378 (1990)
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[Publications] Totaro Imasaka: "Comparison of Fluorescence Detection and Multiphoton Ionization Mass Analysis in Supersonic Jet Spectrometry" The Analyst.
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[Publications] ChengーHuan Lin: "Normal and Reverse Synchronous Scan Luminescence Techniques in Supersonic Jet Spectrometry I.Principle and Analytical Procedure" Analytical Chemistry.
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[Publications] ChengーHuan Lin: "Normal and Reverse Synchronous Scan Luminescence Technique in Supersonic Jet Spectrometry II.Application to Anthracene Derivatives" Analytical Chemistry.
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[Publications] ChengーHuang Lin: "Elimination of Intramolecular Vibrational Relaxation by Synchronous Scan Luminescence Techniques in Supersonic Jet Spectrometry"
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[Publications] 今坂 藤太郎: "高速液体クロマトグラフ/超音速分子流分光分析法" 島津製作所, 1 (1990)
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[Publications] 今坂 藤太郎: "レ-ザ-光を利用した検出法" 学会出版センタ-(日本化学会編)「李刊化学総説」NO6,1990 クロマトグラフィ-の新展開, 5 (1990)