1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 教授 (60002002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 幹雄 北海道大学, 工学部, 助手 (40198990)
町田 憲一 北海道大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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Keywords | 窒化アルミニウム / 窒化物 / 高熱伝導体 / 放熱基板 |
Research Abstract |
アルミニウム粉末の直接窒化はアルミニウム融点近くでその凝集塊を生じ、窒化反応は促進しなくなる。このため、常法として窒化アルミニウム粉末をアルミニウム粉末と共に混合し、その凝集を抑制するか、浮遊流動法に依存しなければならない。本研究では、アルミニウム粉末の凝集を防ぐために、融点以下でアルミニウム粉末の表面を窒化し、ひきつづいて高温で窒化することにより微細で高純度の窒化アルミニウム粉末を得ることにある。原料には球状Al粉末(粒径10μm、純度99.9%)を用いた。最初の反応温度は1000℃から1200℃までの範囲で窒化を行った。窒化はN_2中では1000℃付近から、NH_3中では1100℃付近から急激に進行することを示した。とくに、NH_3中1200℃で窒化した試料では、ほぼAlN単一相が生成した。SEM観察では、Al粉末とそれに由来する殻が存在し、窒化の度合いと全体に閉める殻の割合がほぼ対応することが明らかとなった。これは、昇温過程でAl粒子表面に生成したAlN層を、内部のAl融液(Alの融点は660℃)が、破って外へ飛び出たためと考えられる。一方、窒化の進行とともに試料の粉砕が容易になり、微細な粒子が得られた。つぎに、粉砕した試料についてひきつづき窒化を行った。得られたAlNの粒径は1μm程度で、最初の窒化で見られたものと大差はなかった。また、AlからN_2気流中、1600℃で得られる通常のAlN(粒径3〜5μm程度)と比べてかなり小さなものであった。 以上より、低温部で一度窒化した試料は粉砕が容易であること、また、引き続く1600℃での窒化でも粒成長や凝集がほとんど起こらないことが明らかになった。このことにより微細なAlN粉末が二段階窒化法から合成できるものと考えられる。
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