1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470066
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 教授 (60002002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古崎 毅 北海道大学, 工学部, 助手 (90190149)
樋口 幹雄 北海道大学, 工学部, 助手 (40198990)
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Keywords | 窒化物 / 窒化アルミニウム / 高熱伝導性 / 放射基板材料 |
Research Abstract |
金属アルミニウムの窒化過程はすでに詳細に検討したので、窒化反応に対する昇温速度および窒素流量の影響を調べた。アルミニウム粉末をN_2流量0.51/min、昇温速度を2℃/minにすることによって、850℃で窒化がかなり進行した。昇温速度が遅い場合、粒子表面にAlN殻が生成する前にAlが溶融するため、融着が著しく、窒化が妨げられる。またN_2流量を21/minにしたところ、ほぼAlNの単一相となった。したがって、昇温速度、N_2流量を制御することにより、反応温度が850℃でも十分に窒化が進行することが分かった。しかし、窒化後の試料は塊状になっており粉砕が困難であった。これに対して、アルミニウム粉末に30wt%のAlNを添加し窒化を行なったところ、粉砕性は著しく向上した。AlNを添加しない場合、昇温過程でAl粒子表面に生成したAlN殻を内部のアルミニウム融液が破って外へ飛び出し、粒子同士が融着している。一方、AlNを添加した場合は、AlNがAl粒子間に入って融着を防いだため、粉砕が容易になった。また昇温速度を0.5℃/minにすることによって、粉砕性はさらに向上した。昇温速度を遅くすると、AlN殻は厚く形成されるため、殻が割れることはなく、小さな亀裂を生じる程度である。そしてその亀裂からN_2ガスが入り込み内部の熔融Alと反応し、新たなAlN殻をつくる。この繰り返しにより窒化が進行する。したがって、粒子同士の融着を防ぐには昇温速度を遅くすることとAlNを添加することが効果的である。窒化を完全に行なうため、試料を軽く粉砕し、1600℃で30min、窒化を行なったところ、灰色は消え、AlN100%の白色粉末が得られた。この粉末は粒径0.5μm程度でよく揃っており、なおかつ分散性が非常に良いことが分かる。
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Research Products
(1 results)