1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 忠 東北大学, 工学部, 助教授 (30176797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 次雄 東北大学, 工学部, 助教授 (90091694)
島田 昌彦 東北大学, 工学部, 教師 (80029701)
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Keywords | 色素 / 粘土鉱物 / インタ-カレ-ション / 螢光材料 / クマリン / モンモリロナイト / レ-ザ材料 / ロ-ダミン |
Research Abstract |
層状構造を有するスメクタイト系粘土層間に、キサンテン系あるいはクマリン系色素のインタ-カレ-ションできることがわかった。光学的な測定を行うために、粘土膜の作成法について検討した。また、一部層間にあるNa^+イオンをSr^<2+>イオンに交換した粘土を調整した。これは底面反射のみからなる粉末X線回折図形をもつ粒子配向性の高い粘土膜であることがわかった。 N,N-dimethyl formamide(DMF)を溶媒としてピロニン色素を層間に吸着させ、蛍光スペクトルを測定すると、600nmに加えて新たに450nmにピ-クの表われることがわかった。また、このピ-ク強度は、Na^+イオン量と相関性のあることから、キサンテン核が層間にて開裂反応を起こしている可能性が指摘された。結果的にはこうした挙動を利用すると、広い波長域をカバ-する蛍光材料の開発の可能なことがわかった。 粘土層間に吸着されるクマリン色素分子は、その形から層間の幾何学的条件に基づく特異な分子配向を示すことが明らかとなった。つまり粉末X線回折の結果から、クマリン吸着量の増加に伴って、大きく二段階の層間距離の変化、B,OAと18.5Aを示すことがわかった。分子の大きさを考慮すると、カチオン交換量の約半分の濃度を境に、粘土層に対して芳香環を水平から垂直へと分子配向が変わるものと説明できた。赤外線吸収スペクトルにおける二色性などの結果もまた、こうした分子配向を決定するために有用であった。さらに吸着条件などを検討し、得られた層間化合物のX線一次元フ-リェ解析を行った。 粘土層間に吸着する色素の濃度を分子配向に、依存して、蛍光の最大波長、強度が変化した。色素分子のπ電子と層構造の酸素との静電的な相互作用、色素分子間の会合による「濃度消光」などが、こうした現象の主なる原因と解釈された。
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