1989 Fiscal Year Annual Research Report
CVD材料の超高圧処理による立法晶窒化ホウ素/ダイヤモンドナノコンポジットの合成
Project/Area Number |
01470068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
佐々木 眞 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70187128)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
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Keywords | 立方晶窒化ホウ素 / ダイヤモンド / 超高圧処理 / 複合材料 / CVD / ナノコンポジット / 置換固溶 / 誘電的性質 |
Research Abstract |
立方晶BN(CBN)はダイヤモンドに次ぐ高硬度、高熱伝導率、高屈折率を有し、さらにダイヤモンドよりも熱的安定性に優れ、鉄基金属とも反応しないことから、切削工具、半導体基板など多くの分野で期待されている材料である。本研究では、cBNとダイヤモンドの両方の特長を合わせ持つcBN/ダイヤモンド複合材料を開発することを目的とした。特に、cBN中にダイヤモンドがナノメ-タ程度の大きさ分散したナノコンポジットでは、従来知られていない新規な特性が発現する可能性がある。そこで、本研究では、CVD法によって乱層構造および六方晶BNと炭素からなるナノコンポジットを合成し、その微細構造と諸性質を明らかにし、さらに、それを超高圧処理することによってcBN/ダイヤモンド ナノコンポジットを合成することを試みた。 BCI_3、NH_3、CH_4およびH_2ガスを原料として、直接通電により加熱した黒鉛基板上に、種々のガス組成で実験を行い、最高約3wt%のCを含むBN/Cナノコンポジットを合成した。得られたBN/Cナノコンポジョト中でBNとCが別々の相で混合物として存在するのか、BN中にCが置換固溶するのかについては、従来の研究でも全く明らかにされていなかった。そこで本研究では、誘電率、誘電損率、tanδの温度および周波数依存性を測定し、Cの存在状態を明らかにすることを試みた。その結果、CがIwt%以下ではホッピング伝導を示し、Cが固溶していると考えられた。また、CがIwt%以上ではマックスウェル・ワ-グナ-型の異常誘電分散が認められ、Cが第二相として存在することが明らかにされた。さらに、2wt%のCを含むBN/cナノコンポジットの超高圧処理に着手し、マトリックスのBNは高圧相ウルツ型BNと立方晶BNへ変態することが確認された。今後は、種々の組成のBN/Cナノコンポジットを合成し、その超高圧処理を行い、変態機構を調べ、新材料としての可能性を検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Hiraga,T.Oku,M.Hirabayashi,T.Matsuda,T.Hirai: "Fivefold multiply-twinned precipitates in chemically vapour-deposi ted boron nitride studied by transmission electron microscopy" Journal of Materials Suence. 8. 130-134 (1989)