1990 Fiscal Year Annual Research Report
CVD材料の超高圧処理による立方晶窒化ホウ素/ダイヤモンドナノコンポジットの合成
Project/Area Number |
01470068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
佐々木 眞 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70187128)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
小野寺 昭史 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20029523)
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Keywords | 立方晶窒化ホウ素 / ダイヤモンド / 超高圧処理 / 複合材料 / CVD / ナノコンポジット / 置換固溶 / 誘電的性質 |
Research Abstract |
立方晶窒化ホウ素(cーBN)はダイヤモンドに次ぐ硬度、高熱伝導性、高屈折率を持っている。さらにダイヤモンドより熱安定性に優れ、鉄基金属に対する化学反応性が低いことから、鉄鋼材料用の切削・研磨工具材料、半導体用基板材料などとしてきわめて重要視されている。本研究は立方晶窒化ホウ素とダイヤモンドのナノ・コンポジット材料を開発することを目的としている。 はじめに、CVD法によりBCl_3、NH_3およびCH_4ガスを原料にして、直接通電により加熱した黒鉛基板上に、3%と20%のCを含むBNーCナノ・コンポジットを合成した。Cが1%以下ではBNにCが固溶しているが、それ以上ではCとBNとは混在している。 ついで、この2種類のナノ・コンポジットを10GPa、1700℃までの超高圧・高温条件で10分間処理し、X線回折により相関係を調べた。BN(97%)ーC(3%)では立方晶窒化ホウ素は6GPa、1600℃以上または8GPa、1400℃以上で出現した。これより低い条件では六万晶窒化ホウ素が現れるか、出発原料のままであった。炭素は全く認められなかった。BN(20)ーC(80)では10GPa、1600℃において立方晶窒化ホウ素とダイヤモンドの同時生成が認められた。同じ1600℃でも圧力が8GPaになると、立方晶窒化ホウ素は現れるがダイアモンドはできず、黒鉛のみ認められた。一方、同じ8GPaでも温度が1700℃と高くなると、ダイヤモンドが出現し立方晶窒化ホウ素は認められなかった。 以上の結果から、ダイヤモンドが無触媒条件にしては以外に低い圧力でも生成していること、立方晶窒化ホウ素が生成する温度がCの添加で高温側にシフトする2つの重要な知見が得られた。
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[Publications] K.Hiraga,T.Oku,M.Hirabayashi,T.Matsuda and T.Hirai: ""Fivefold MultiplyーTwinned Precipitates in Chemically VapourーDeposited Boron Nitride Studied by Transmission Electron Microscopy"" Journal of Materials Science Letter. 8. 130-134 (1989)
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[Publications] A.Onodera,N.Takahashi,H.Yoshihara,H.Nakae,Y.Matsunami and T.Hirai: ""Formation of Nevel Sintered Composites by HighーPressure Crystallization of Amorphous Ceramics"" Journal of Materials Science. 25. 4157-4161 (1990)
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[Publications] A.Onodera,K.Inoue,H.Yoshihara,H.Nakae,T.Matsuda and T.Hirai: ""Synthesis of Cubic Boron Nitride from Rhombohedral form under Hydrostatic Pressure"" Journal of Materials Science. 25. 4279-4284 (1990)
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[Publications] H.Yoshihara,A.Onodera,K.Suito,H.Nakae,Y.Matsunami and T.Hirai: ""Behaviour of BーNーSi under High Pressure and High Temperature"" Journal of Marterials Science. 25. 4595-4603 (1990)