1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470069
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 惟恭 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 修 東京工業大学, 工学部, 技官教務職員 (20108195)
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Keywords | 窒化アルミニウム / 鉛ペロブスカイト / 液相焼結 / 粒界 / 粒界相移動 |
Research Abstract |
窒化アルミニウムは共有結合性が強く、難焼結セラミックス材料の一つである。焼結助剤にY_2O_3を添加し、助剤機能を粒界移動の精密な観察から解明した。すなわちY_2O_3は原料AIN粉末の表面部分にあらかじめ存在しているAI_2O_3と反応しY_4AI_2O_9等の化合物を生成し、この化合物が高温で融解し液相を生成する。この液相がAIN粒の再配列と液相焼結を促進して緻密化が達成される。このようにAIN粒内の不純物である酵素をY_4AI_2O_9の形で除去し、粒界に集積化することはAINのフォノン熱伝導性の向上にも貢献する。さらに本研究では粒界にこのような化合物が存在すると最終的に粒界構成化合物がAINの特性、例えば機械的強度や熱伝導性、を制限してしまう可能性があることを指摘し、その化合物をAINセラミックスを損う事なく取除く方法について検討した。粒界相含有AINセラミックスをカ-ボンルツボ中に入れ、窒素雰囲気で1900℃で焼成すると粒界相化合物が粒界から焼結体表面に移動し、最終的に粒界相が全て排出される。この機構はY,AI,Oからなる融液が表面でカ-ボンガスと窒素ガスによって還元窒化され、それぞれYN,AINを生成する。この表面反応による融液の減少が焼結体内部からの融液の吸引力となりこの反応は粒界相が消失するまで進行する事が解明された。 PbFe_2/_3W_1/O_3(PFWと略す)は1000℃以下で焼結可能な高誘電率材料である。このような低温焼結は通常液相焼結を利用して行われるが、低温での液相生成とその液相の挙動に焦点をあてて研究を行った。その結果、PFWはペロブスカイト構造の化合物であるが、この化合物が生成するより低温でパイロクロア構造の化合物が生成し、この化合物は比較的安定で、PFWの液相生成に大きく影響することが判明した。今後さらに、パイロクロア相の生成と原料組成の均一性及びPFWの液相生成の機構について検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 八木健: "還元雰囲気中熱処理によるAlN焼結体の粒界相の移動現象" 日本セラミックス協会学術論文誌. 97. 1372-78 (1989)
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[Publications] 八木健: "接合試料におけるAlN焼結体粒界相の移動現象" 日本セラミックス協会学術論文誌. 98. 198-203 (1990)
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[Publications] 呂宗〓: "3Pbo-Fe_2O_3-WO_3の反応過程における液相生成" 日本セラミックス協会学術論文誌. 97. 112-24 (1989)
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[Publications] Nobuyasu Mizutani: "Formation of a High-temperature Liquid Phase During the Sintering of PbFe2/3W1/303" J.Am.Ceram.Soc.73. (1990)
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[Publications] Chung-Hsin Lu: "Preparation and Thermal Decomposition of New Pyrochlore Pb_2FeWO_<6.5>" J.Materials Science. 25. (1990)
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[Publications] Chung-Hsi Lu: "Preparation Synthesis and Reaction Mechanism of Ferroelectric PbFe_<2/3> W_<1/3> O_3" J.Ceramic Soc.of Japan. 98. (1990)