エネルギ-変換における含酸素化合物の電気化学的酸化

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01470075
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 喜多 英明 北海道大学, 理学部, 教授 (30001712)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 嶋津 克明 北海道大学, 理学部, 助教授 (30109417) ; 中島 弘司 北海道大学, 理学部, 助教授 (00000852)
• Keywords: 白金単結晶電極の作成 / 白金単結晶電極上の吸着水素 / 吸着水素と水素電極反応 / 時間依存を示す速度式の解析 / 電気化学的メタノ-ル酸化 / メタノ-ル酸化の吸着種 / 吸着COの電極反応におよぼす影響 / プラズマ処理高分子被覆電極

Research Abstract

1.白金単結晶作成技術の確立(喜多)反応速度論的研究において信頼度の高い結果を得るためにはwell defined surfaceが不可欠である。近年Claviliersらによって開発されたフレ-ム法による単結晶の作成に成功し、白金の(111)、(100)、(110)および各種のstepped surfaceを作成した。本法は白金のみならず他の金属にも適用できる。
これらの電極の電気化学的特性を明らかにするため、(1)吸着水素の表面構造依存性および(2)吸着水素と水素電極反応の関係を調べた。吸着水素の状態は表面構造に極めて敏感であり、液性依存性も含めて多くの興味ある知見がえられた。これらの理論的解釈は今後の課題である。また水素電極反応との関連については、反応中間体となる吸着水素原子はこれらの吸着水素とは異なった。on-top Hであることが判明した。
2.速度論的バラメ-タ-の決定(嶋津・中島)メタノ-ル酸化の速度は径時変化を示し、速度論的バラメ-タ-を求めることは極めて困難である。本年度は通常の多結晶白金電極を用い、表面吸着種の時間的変化を追跡することによって、時間によらない真の速度式を求めることに成功した。反応次数、Tafel係数などから、0.55Vより負の電位において表面吸着種は阻害種として働くが、それ以上の電位では反応中間体として働くことが判明した。この知見は、従来の吸着種即阻害種とする短絡的な思考に対して新しい視点を提供するものである。現在、単結晶電極を用いて部分酸化生成物であるギ酸の酸化について同様な速度論的検討を行っている。さらに表面吸着種として考えられているCOを意図的に吸着させ、その電極反応におよぼす影響についても調べている。
3.ポリマ-被覆電極の挙動(嶋津)既に固体高分子電解質膜電極が極めて優れた活性を示すことを明らかにしてきたが、今回高分子膜電極のプラズマ処理により、さらに大幅な活性増加が得られることが判明した。

Research Products

• [Publications] R.Inada: "Analysis of time-dependent kinetics for the oxidation of methanol on a platinum electrode and reaction mechanism" J.Electroanalytical Chemistry. 277. 315-326 (1990)
• [Publications] H.Kita: "Reaction route of hydrogen electrode reaction on Platinum" DENKI KAGAKU. 58. 41-48 (1990)
• [Publications] K.Uosaka: "Surface morphology and reactivity of the Pt-SPE electrode:SEM,STM and electrochemical characterization" J.Electroanalytical Chemistry. 27. 275-281 (1980)
• [Publications] S.Ye: "Hydrogen wave on platinum single crystal electrode in alkali solution" J.Electroanalytical Chemistry.
• [Publications] K.Shimazu: "Enhancement of the catalytic activity of Pt micropaticles dispersed in Nafion-coated electrodes for the oxidation of methanol by RF-plasma treatment" J.Electroanalytical Chemistry.
• [Publications] H.Kita: "Effects of adsorbed CO on electrode reactions" J.Electroanalytical Chemistry.
• [Publications] 喜多英明編: "エレクトロキャタリシスの展望と応用(印刷中)" 株式会社IPC,