1989 Fiscal Year Annual Research Report
合成二酸化マンガンの減極能と活物質設計に関する基礎研究
Project/Area Number |
01470084
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
平井 竹次 大阪市立大学, 工学部, 教授 (70032919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 圭二郎 大阪市立大学, 工学部, 助手 (50206017)
小槻 勉 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (40116439)
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Keywords | 二酸化マンガン / リチウム電池 |
Research Abstract |
二酸化マンガンは、天然鉱物として多く産出し、古くからルクランシェ乾電池など水溶液系電池の正極活物質として用いられてきた。従って二酸化マンガンの結晶構造変化及びその電気化学的挙動は、プロトンーエレクトロン反応系に限定して考察されてきた。一方、電池活物質一般に要求される機能(広義の減極能)に関しては、水を媒体とするプロトンーエレクトロン反応系に限定する必要はなく、リチウムイオンーエレクトロン反応系への拡張も充分考えられ、本研究初年度では、これらの思考上の変更に伴なう二酸化マンガンの基本的な考え方を吟味、整理し、無機構造化学、電気化学的な立場を加味して新規活物質群を予測し、合成することによりその一部を実証した。以下にその研究成果を述べる。 (1)NiAs型二酸化マンガンーこの新規活物質は、六方密充填の酸素配列を持ち、マンガンイオン及びリチウムイオンは、六配位位置に共存しうるとともに、酸化、還元時には、マンガンイオンの固相内レドックス反応と連動してリチウムイオンが可逆的に出入りする。従って、このものを用いて3V級リチウム2次電池とすることができる。現時点での充放電容量は、活物質1g当たり120〜160mAhの水準に達している。 (2)NaCl型二酸化マンガンーこの新規活物質は、立方密充填の酸素配列を持つ二酸化マンガンで、スピネル類縁結晶である。このものは、マンガンイオンが、低スピン状態で存在し、NiAs型二酸化マンガンの高スピン状態とは異なるため、このものの作動電圧は、4Vと異常に高い。このものも酸化、還元を結晶構造を乱すことなく起こすことができるので4V級リチウム2次電池となりうるが、現時点では、実用溶媒が見当らない 本研究の成果は、J.Electrochem.Soc.誌他に掲載済である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ohzuku,Tsutomu: "Electrochemistry of Manganese Dioxide in Lithium Nonaqueous Cell III.X-Ray Diffractional Study on the Reduction of Spinel-Related Manganese Dioxide" J.Electrochem.Soc.137. 769-775 (1990)
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[Publications] Ohzuku,Tsutomu: "Electrochemistry of Manganese Dioxide in Lithium Nonaqueous Cell II.X-Ray Diffractional and Electrochemical Characterization on Deep Discharge Products of Electrolytic Manganese Dioxide" J.Electrochem.Soc.137. 40-46 (1990)
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[Publications] Ohzuku,Tsutomu: "Rechargeability of LT_xMnO_<2ー8> Prepared Electrochemically from Electralytic Manganese Dioxide" Chemistry Express. 4. 773-776 (1989)
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[Publications] Ohzuku,Tsutomu: "Preliminary Results on Synthesis and Characterization of Li_xMnO_<2ー8> for Rechargeable Lithium Cell" Chemistry Express. 4. 777-780 (1989)
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[Publications] Ohzuku,Tsutomu: "Electrochemistry of Manganese Dioxide in Lithium Nonaqueous Cell I.X-Ray Diffractional Study on the Reduction of Electrolytre Maaganese Dioxide" J.Electrochem.Soc.136. 3169-3174 (1989)
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[Publications] Ohzuku,Tsutomu: "Acid Leaching of Zinc Ions in Hetaerolite;Topotactic Reaction of Hetaerolite to Form Spinel-Related Manganese Dioxide" Chemistry Express. 4. 487-490 (1989)
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[Publications] 平井竹次: "電池の話" 裳華房, 151 (1989)
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[Publications] 平井竹次: "高性能電池の最新技術マニュアル" 総合技術センタ-, 345 (1989)