1989 Fiscal Year Annual Research Report
パ-フルオロアルキル基の疎水性場を活用する高選択的立体制御
Project/Area Number |
01470099
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山岸 敬道 東京都立大学, 工学部, 教授 (70087302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正人 東京都立大学, 理学部, 助手 (50137030)
山口 素夫 東京都立大学, 工学部, 助手 (60174637)
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Keywords | パ-フルオロアルキル化アミノ酸 / 不斉水素化 / ロジウム触媒 / 静電的相互作用 / 分子認識 / 疎水性場 / デヒドロジペプチド |
Research Abstract |
分子内にアミノ基を持つジホスフィンを配位子としたロジウム錯体を触媒に用いてデヒドロジペプチドの立体選択的水素化反応を詳細に検討し、選択性の温度依存性から活性化パラメ-タ-を求め、立体選択性がエントロピ-項により支配されていることを明らかにした。このことは静電的相互作用の存在によってロジウム錯体による基質の多点認識が可能になった事に対応すると結論した。溶媒効果、特に水の添加効果を検討し、錯体内で基質ー配位子間に静電的相互作用が存在し、それが立体選択性を著しく向上させること、基質中のアミノ酸ユニットの疎水性が選択性に大きく影響することを明らかにした。更に、この静電的相互作用を利用する立体制御により、ナフチル基やピレニル基の様な大きな芳香核を持つデヒドロジペプチドの水素化でも高立体選択性を実現できることを示した。このため非天然型のジペプチドを高立体選択的に合成することが可能となった。 フェニルアラニン基質としてビス(パ-フルオロブタノイル)パ-オキシドとの反応を種々の溶媒中で検討した結果、フレオン溶媒中で効率よく芳香核にプ-フルオロアルキル基(Rf基)が導入されることを見出した。また位置選択性はpー体が主生成物であることを明らかにした。従ってRf基が入ったデヒドロジペプチドやアシルホルミル化アミノ酸合成が行える段階になった。溶液中でのロジウム錯体の構造についてはNMRにより検討を行い、複数の錯体種が存在し室温から-50℃迄の温度範囲で速い交換平衡があることを明らかにした。今後錯体の構造について知見を得るため低温での測定、より安定な配位をするイリジウム錯体についてNMR測定を行う必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoru IKEDA: "Effect of Solvent and Temperature on the 1,4ーAsymmetric Induction in the Diastereoselective Hydrogenation of Dehydrodipeptides" Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 62. 3508-3512 (1989)
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[Publications] Takamichi YAMAGISHI: "Asymmetric Hydrogenation of αーKeto Acid Derivatives ith with Rh(I)ーChiral Diphosphinite System.Effect of Halide Counterion on the Asymmetric Induction" Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 63. 281-283 (1990)
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[Publications] Satoru IKEDA: "Diastereoselective Hydrogenation of Dehydrodipeptides with a Polycondensed Aromatic Ring at βーPosition of Dehydroamino Acid Residue" Chemistry Express. 5. 29-32 (1990)