1989 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒を用いる新しい重縮合法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
01470109
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今井 淑夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016557)
|
Keywords | パラジウム触媒 / 一酸化炭素 / ポリアミド / 重縮合反応 |
Research Abstract |
芳香族ジハライドと、芳香族ジアミンまたは芳香族ビフェノ-ルとを、パラジウム触媒による一酸化炭素の挿入反応で反応させることにより、高分子量の芳香族ポリアミドおよび芳香族ビフェノ-ルを合成する反応条件はすでに確立している。しかし、カルボキシル基や水酸基で置換されたハライドおよびアミノ等、異種官能基を有するモノマ-を使用して選択的にアミドまたはエステルを合成した例は、低分子の反応においてもあまり多くはない。そこでまず低分子のモデル反応で官能基の反応選択性を検討した。具体的には、ブロモフェノ-ルや、アミノ安息香酸を使用して選択的にアミドが生成する条件を検討した。その結果、アミノ基とフェノ-ル性水酸基との反応性を区別することはかなり困難であることがわかったが、アミノ基とカルボキシル基との反応性には大きな差があり、区別できることが明らかとなった。そこで、3,5-ジアミノ安息香酸とm-ジブロモベンゼンの反応を一酸化炭素とパラジウム触媒の存在下に行ない、カルボキシル基を有する芳香族ポリアミドの合成を検討した。その時、 1)重合溶媒の種類。 2)パラジウム触媒の種類。 3)添加するアミンの種類。 4)モノマ-濃度。 5)一酸化炭素の圧力。 等を詳細に検討したが、条件によってはゲル化が進行し、目的である可溶性のポリマ-が得られないことが明らかとなった。しかし、ゲル化することなく重合が進行する場合もあり、高分子量のポリマ-が得られる条件の検討が次年度に残されたと言える。
|