1989 Fiscal Year Annual Research Report
植物毛状根細胞の培養に適したバイトリアクタ-の開発と有用物質の生産
Project/Area Number |
01470116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 裕之 名古屋大学, 工学部, 助手 (70209328)
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Keywords | 毛状根細胞 / バイオリアクタ- / 植物細胞 / 増殖阻害物 / 電気伝導度 / 高濃度培養 |
Research Abstract |
1.毛状根細胞としては、西洋ワサビおよびニンジンの植物体にAgrobacterium rhizogenesを感染させて誘導した毛状根を使用した。培地は、ホルモン無添加でスクロ-スを炭素源としたMurashige-Skoog(pH6)の液体培地を使用した。培養は、暗条件下で25℃にて行い、三角フラスコでの培養は100rpmで旋回振蘯した。細胞量は培養中に実測することは不可能なので、培地の電気伝導度を測定することによりオンラインでモニタ-できることを見出した。バイオリアクタ-としては、いずれも細胞に対して剪断力が作用しにくいものを選定し、回転ドラム型、丸底エア-リフト型、タ-ビン内蔵型等のリアクタ-を使用した。 2.ニンジン毛状根を使って培養したところ最も良好な結果が得られたリアクタ-は酸素移動容量計数K_Laが高く、培養液の混合状態の良いタ-ビン内蔵型リアクタ-で、30日後に10g/lの細胞密度に達し、三角フラスコ培養の4g/lにくらべて2倍以上の毛状根が得られた。さらに、電気電導度変化をモニタ-しながら糖や無機塩を添加して培養を続けた結果、乾燥重量で16g/lまで培養することができた。この培養で主要培地成分を分析したところほぼ一定値に維持できていたが、グルコ-ス、フルクト-スの蓄積が認められた。 3.グルコ-ス、フルクト-スの蓄積の効果を調べるために、三角フラスコを用いて培地を交換しながら、培地組成をほぼ一定に保ちながら培養したところ、フルクト-スが顕著な増殖阻害物であることがわかった。そこで、タ-ビン内蔵型リアクタ-を用いた培地交換培養により阻害物濃度を低いレベルに保って培養したところ40日後に19g/lの毛状根が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Osamu Kondo: "Comparison on growth properties of carrot hairy root in various bioreactors." Applied Microbiology and Biotechnology. 32(3). 291-294 (1989)
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[Publications] Masahito Taya: "Hairy root from pak-bung for peroxidases production" Plant Tissue Culture Letters. 6(3). 159-161 (1989)
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[Publications] Hiroyuki Honda: "High cell density culture of hairy root cells." Plant Tissue Culture Letters. (1990)
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[Publications] Hiroyuki Honda: "Effect of fructose on growth of hairy root cells." Journal of Fermentation and Bioengineering. (1990)