1990 Fiscal Year Annual Research Report
植物毛状根細胞の培養に適したバイオリアクタ-の開発と有用物質の生産
Project/Area Number |
01470116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚住 信之 名古屋大学, 工学部, 助手 (40223515)
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Keywords | 植物 / 毛状根細胞 / ペルオキシダ-ゼ / 分泌生産 / アグロバクテリウム / 吸着カラム / 蛋白質分離 |
Research Abstract |
1.植物毛状根細胞は、親植物の各組織(葉・茎・根)に比べて目的物質含量が高いことを、パックブン毛状根が生産するペルオキシタ-ゼにおいて確認した。毛状根の前培養には旋回流型培養装置を用いた。 2.西洋わさびの毛状根が生産するペルオキシダ-ゼ(POD)をモデルに生産量の増大と分泌促進物質の検索を行なった。光照射によりPODの生産量は増大し、暗所での培養に比べて2倍であった。NaClを培養液に添加したところ細胞増殖には若干阻害的であったがイオン強度の増加とともにPODの分泌促進が認められ、100mM添加した場合には約3倍の分泌量が確認された。NaClの添加はPOD生産には影響を与えず、細胞からの漏出に役立っていると考えられた。電子顕微鏡写真による形態変化を観察したところ、光照射により毛状根の直径は3倍に増大し、NaClにより表層組織の剥離が認められた。 3.PODの効率的生産とその連続分離・回収を検討した。50mMのNaClを含む培地で培養した場合が細胞増殖に与える影響が小さく分泌生産にも適していた。分泌生産されたPODは疎水性担体カラムに吸着した。このカラムからPODを溶出するため種々の溶媒を検討したところ、80%冷アセトンが最も良く、約85%のPODが活性を保ったまま溶出した。なお冷却遠心機およびロ-タ-を用いてペルオキシダ-ゼ沈殿物を回収して定量を行なった。そこで50mMNaCl添加培地において培養20日目から3〜4日毎に培養液全量をカラムに通し、未吸着画分液を培養槽に戻しながら培養を続けることでPODが半連続的に回収除去でき、43日後において分離回収を行なわない場合に比べて約4倍量のPOD生産量を達成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Osamu Kondo: "Comparison of growth properties of carrot hairy root in various bioreactors" Applied Microbiology and Biotechnology. 32. 291-294 (1989)
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[Publications] Masahito Taya: "Hairy root from pakーbung for peroxidase production" Plant Tissue Culture Letters. 6. 159-161 (1989)
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[Publications] Yoshihiro Kato: "Enhancement of peroxidase production and excretion from horseradish hairy roots by light,NaCl and peroxidase adsorption <in>___ー <situ>___ー" Plant Tissue Culture Letters. (1991)