1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯貝 彰 東京大学, 農学部, 助教授 (20011992)
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Keywords | 自家不和合性 / S糖タンパク質 / NS糖タンパク質 / Brassica cawpestris / アブラナ |
Research Abstract |
1.抗体の作製:細胞内でのS糖蛋白質,NS糖蛋白質の極在性,交配時でのS糖蛋白質の遺伝などを詳細に調べるためには,S糖蛋白質,NS糖蛋白質を特異的に認識する抗体の作製が必須である.そこで,S8糖蛋白質,NS糖蛋白質を精製し,それらを抗原として,マウスに免疫し,さらにモノクロナル抗体の作製を試みた.その結果、現在までに,S糖蛋白質にたいするモノクロナル抗体1種を得ることに成功した.この抗体は,S糖蛋白質に特異的で,NS糖蛋白質は認識しない.これによって,従来曖昧であった,S糖蛋白質とNS糖蛋白質を明らかに識別できることが分かった. 2.S8糖蛋白質およびNS糖蛋白質のcDNAの単離と塩基配列の決定:将来のゲノム遺伝子レベルでの自家不和合性の研究のために,S糖蛋白質などのcDNAを単離し,その塩基配列の決定をすることはきわめて重要である.今回,開花当日のS8株の柱頭より作製したcDNAライブラリ-より,既に判明しているアミノ酸配列に基づいて作製した合成DNAプロ-ブによってスクリ-ニングした結果,S8糖蛋白質,NS糖蛋白質をコ-ドするCDNAを得ることが出来た.このうち,NS糖蛋白質については塩基配列の決定を終了し,これまで,不明であったNS糖蛋白質の全アミノ酸配列を決定することが出来た.さらに得られたcDNAを用いて,S12株のmRNAについてノ-ザンハイブリダイゼ-ションしたところ,明らかにNS糖蛋白質類似のmRNAが存在することが判明した.また,種々のアブラナ科植物についてゲノミックサザンハイブリダイゼ-ションしたところ,S糖蛋白質の遺伝子系列を複数存在したが,NS糖蛋白質系のものは大部分の種で1種類であることが判明した.この事は,NS糖蛋白質はきわめてよく保存されていることを示唆していると思われる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 渡辺 正夫: "アブラナ科植物の自家不和合性" 植物細胞工学. 2. 585-594 (1990)
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[Publications] N.KishiーNichizawa: "Ultrashactare of Papillar Cell in Brassica cawpestris Revealed by Liquid Helium RapidーFreezing and SubstitutinーFiration Metuod" Plant and Cell Phyisology. 31. 1207-1219 (1990)