1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野副 重男 東北大学, 薬学部, 教授 (50013305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭 東北大学, 薬学部, 教務職員 (00216699)
太田 富久 東北大学, 薬学部, 講師 (50108560)
近藤 嘉和 東北大学, 薬学部, 助教授 (30004584)
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Keywords | 抗腫瘍性化合物 / 細胞毒性物質 / 担子菌産物 / 5ーリポキシゲネ-ス / カルモジュリン / グルタミン酸 |
Research Abstract |
平成元年度の研究に引続き活性画分の精製及び構造決定を進める一方、平成2年度に採集した担子菌子実体約30種類のスクリ-ニングを行った。スクリ-ニングは前年度と同様、(1)抗腫瘍活性(細胞毒性<in>___ー <vitro>___ー試験)、(2)カルモジュリン阻害活性、(3)抗リポキシゲネ-ス活性、(4)グルタミン酸関連酵素及び受容体に対する活性について探索を行った。 (1)抗腫瘍活性:ミドリスギタケ(<Gymnopilus>___ー <aeruginosus>___ー)より単離された化合物群は、先に我々がオオワライタケより単離したジムノピリン及びその同族体であることがわかった。また、カワラタケ(<Coriolus>___ー <versicolor>___ー)からの活性成分はヒポテマイシンであり、ヒロハシデチチタケ(<Lactarius>___ー <cirellatus>___ー)から得られた物質は9ーオキソオクタデカン酸であった。ニセクロハツ(<Russula>___ー <subnigricans>___ー)から得られた5種の同族体の化学構造及び抗腫瘍活性について現在検討中である。(2)カルモジュリン阻害活性:先に得られたファシクリン酸Aの作用について詳細に検討した。カルモジュリン依存性ホスホジエステラ-ゼに対するIC_<50>値は10^<-5>Mであり、Wー7の約10倍の強さを示した。また、カルモジュリン非依存性ホスホジエステラ-ゼ、ミオシンATPase、筋小包体Ca^<++>ーATPase、Na^+,K^+ーATPase等、他の酵素への作用も少なく、またファシクリン酸Aにより阻害様式は拮抗型であることがわかった。(3)抗リポキシゲネ-ス活性については、引続き探索研究を行っている。(4)強力なグルタミン酸アゴニスト、アクロメリン酸A及びBが単離された有毒担子菌ドクササコ(<Clitocybe>___ー <acromelalga>___ー)の成分研究を行い、アクロメリン酸類を容易に収率よく得られる精製法を確定した。アクロメリン酸関連化合物として新たに2種の化合物(アクロメリン酸C及びDと命名)を得、その構造をスペクトル解析によって決定した。 以上の研究については、今後も続行する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Fushiya,S.Sato,T.Kanazawa,G.Kusano,S.Nozoe: "Acromelic Acid C.A New Toxic Constituent of <Clitocybe>___ー <acromelalga>___ー;An Efficient Isolation of Acromelic Acids." Tet.Lett.31. 3901-3904 (1990)
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[Publications] A.Takahashi,T.Ohta,T.Nunozawa,S.Nozoe: "Isolation of 1ーβーDーArabinofuranosylcytosine (AraーC) from the Mushroom <Xerocumus>___ー <nigromaculatus>___ー Hongo"
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[Publications] A.Takahashi,R.Kudo,T.Ohta,S.Nozoe: "5ーLipoxygenase Inhibitors from the Mushroom <Boletopsis>___ー <leucomelas>___ー"
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[Publications] S.Fushiya,S.Sato,Y.Kera,S.Nozoe: "Isolation of Acromelic Acid D from <Clitocybe>___ー <acromelalga>___ー"
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[Publications] 野副 重男、高橋 昭: "キノコ類からの生物活性物質の開発と利用ー薬理活性物質ー(ミニレビュ-)" 日本農芸化学会誌. 63. 868-873 (1989)
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[Publications] 野副 重男他: "キノコの化学・生化学" 日本農芸化学会, (1991)
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[Publications] 野副 重男他: "きのこの薬理活性物質" 農村文化社, (1992)