1989 Fiscal Year Annual Research Report
ウリ科植物の抗アレルギ-性トリテルペン誘導体の開発とバイオ生産
Project/Area Number |
01470138
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田端 守 京都大学, 薬学部, 教授 (60025682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 重雄 京都大学, 薬学部, 助手 (30115878)
上硲 和輔 武庫川大学, 薬学部, 教授 (60085280)
福井 宏至 京都大学, 薬学部, 助教授 (80026575)
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Keywords | ウリ科 / ヘチマ / Luffa cylindrica / 植物培養細胞 / テルペノイド / ブリオノ-ル酸 / 抗アレルギ-作用 / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
ウリ科植物(8属13種27品種)から誘導した培養細胞のエキスを、今期購入したオ-トサンプラ-付きGLCで分析し、ブリオノ-ル酸はすべての培養細胞に主成分として含有されるが、種によりその成分含量が異なることを明かにした。その中、ブリオノ-ル酸に関して最も高い生産性を示すヘチマ培養細胞を用いて培養条件を検討した結果、ブリオノ-ル酸生成に最適なホルモンは、ナフタレン酢酸(10^<-7>M)あるいはインド-ル酢酸(10^<-7>M)であることを見出した。さらに、培地中のグルコ-スの濃度を4%まで上げることにより、細胞成長およびブリオノ-ル酸の生成量を著しく向上させることができたので、ブリオノ-ル酸含量は細胞乾燥量の4%に達した。また、ヘチマ培養細胞は、アミロプラストに多量の澱粉粒を生成する傍ら、細胞壁あるいは細胞膜にブリオノ-ル酸を蓄積することが判明した。現在、このヘチマ培養細胞から、ブリオノ-ル酸高生産株を得るために、細胞クロ-ニング法により、15系統の細胞株を分離し、その成長、生成能、分泌能の差異を検討している。 一方、抗アレルギ-、抗炎症作用の動物実験に供するため、ヘチマ培養細胞から得たブリオノ-ル酸の各種誘導体(モノ、ジフタリルエステル、ジサクシニルエステルおよびそれらのナトリウム塩とカリウム塩)の効率的な合成法ならびに精製法を確立した。これらの化合物の中、ジフタリルエステルの抗アレルギ-試験を実施し、I、III、IV型のアレルギ-に有効であり、その活性は元のブリオノ-ル酸より数倍強いことを見出した。
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Research Products
(1 results)