1989 Fiscal Year Annual Research Report
紫外共鳴ラマン分光によるエンケファリンのコンホメ-ションとレセプタ-結合様式
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01470142
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 英夫 東北大学, 薬学部, 助教授 (30111454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 一誠 東北大学, 薬学部, 教授 (70011583)
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Keywords | エンケファリン / オピオイド / レセプタ- / 紫外共鳴ラマン分光 / ラマン分光 / 赤外分光 / βタ-ン |
Research Abstract |
メチオニンエンケファリンおよびロイシンエンケファリンの4種の結晶形のラマンスペクトルを測定し、結晶構造との比較から、βタ-ン構造およびβシ-ト構造に特徴的な、ペプチド主鎖の振動バンドを見いだした。また、エンケファリン中のチロシンやフェニルアラニン側鎖の構造や脂質膜結合時の環境が、紫外共鳴ラマンスペクトルにどのような影響を与えるかを調べるために、数種の溶媒を用いて、チロシンおよびフェニルアラニン誘導体の紫外共鳴ラマンスペクトルを測定し、1600cm^<-1>付近の二本のラマンバンドの相対強度が、環境の親水性、疎水性マ-カ-となることを見いだした。以上のような基礎デ-タを基に、脂質(ジパルミトイルホスファチジルコリン)リポソ-ムに埋め込んだエンケファリンの構造解析を、213nmおよび240nm励起の紫外共鳴ラマン分光によって行い、次の結果を得た。 1.メチオニンエンケファリンは、脂質相転移以下の温度では脂質膜中に入らず、単なる水溶液と同じ構造、すなわち、多種のコンホ-マ-の共存状態を採っている。一方、ロイシンエンケファリンは、脂質膜に結合した状態と水相に存在する状態の間に、平衡的に存在する。 2.相転移温度以下では、両エンケファリン共に脂質膜中に入り、βタ-ン型構造を採る。 3.脂質膜中、チロシン側鎖は、メチオニンエンケファリンの場合、疎水性環境下にあるが、ロイシンエンケファリンでは、水相中につき出ているか、または、脂質の親水部に存在する。 現在、エンケファリン受容体の精製を始め、受容体との結合様式のを紫外共鳴ラマン分光とフ-リエ変換赤外分光法で解析するための準備を行っている。
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Research Products
(1 results)