1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01470145
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Research Institution | Faculty of Science, Gakushuin University |
Principal Investigator |
西川 惠子 学習院大学, 理学部, 助手 (60080470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 孝夫 学習院大学, 理学部, 教授 (10000788)
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Keywords | 二次元検出器 / X線回折 / 柔粘性結晶 / イメ-ジング・プレ-ト / 液体 / 散漫散乱 |
Research Abstract |
輝尽性蛍光物質を塗布したスクリ-ン(イメ-ジング・プレ-ト,IP)を用いたX線二次元検出器であるDIP100(MACサイエンス社製)を使っての測定法、および測定時における種々の問題点の列挙、解決については、昨年度までに完了していた。本年度は、ディフュ-ズな回折パタ-ン(散漫散乱)を、IPを用いて強度測定した場合の定量性についてまず検討した。試料としては、液体四塩化炭素と水を用いた。この二つの試料は筆者らが、エネルギ-分散法を用いて詳細な研究を行っている。これらと比較することにより、IPによる強度測定の精度を検討し、解析法の是非を判定することができる。その結果、液体からの散乱のIPによる強度測定は、従来の掃引法やエネルギ-分散法の測定時間の数分の一の測定時間ですみ、しかも解析法が簡単であることがわかった。測定精度も従来の方法と同程度あるいは、それ以上の精度であった。唯一の欠点は、散乱パラメ-タSの大きな領域の測定ができないことであるが、研究の対象を液体の構成分子のパッキングや配置に限るなら問題はない。DIP100は平面検出方式なので、散乱角の大きなX線がIPに斜めに入射した際、種々のトラブルを引きおこすと予想したが、この斜め入射の影響はまったくないことがわかった。 柔粘性結晶としてはアダマンタン(C_<10>H_<16>)をとりあげた。単結晶を作り、様々な方向からX線をあてその散乱パタ-ンを得た。予想どうり、分子の重心は規則格子を作っていることによるラウエ斑点と、配向が乱れていることによるディフュ-ズ・パタ-ンの両方が得られた。アダマンタン分子の重心はfccの格子点上にある。この格子点のサイト・シンメトリ-は分子自身の対称性(Td)より高く、分子が大きな回転的振動を行うことで擬似的に格子点のサイト・シンメトリ-を満足させているものと思われる。詳細な構造解析は現在進行中である。
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[Publications] 西川 惠子: "X線を用いた分子性液体と柔粘性結晶の研究" 日本結晶学会誌. 31. 222-228 (1989)
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[Publications] K.Nishikawa,Y.Sakamoto,and T.Iijima: "Accuracy of Intensity Measurement by Use of an Area Detector with a Photostimulable Phosphor Screen,as Confirmed by Measuring Scattering Intensity from a Liguid" Japanese Journal of Applied Physics.