1989 Fiscal Year Annual Research Report
酵素阻害剤の設計を目指すプロテア-ゼインヒビタ-SSIの改造と機能改変
Project/Area Number |
01470146
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 謹一郎 東京大学, 工学部, 教授 (30000227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)
熊谷 泉 東京大学, 工学部, 講師 (10161689)
|
Keywords | 蛋白工学 / 酵素阻害剤 / プロテア-ゼ・インヒビタ- / 部位指定変異 / 放線菌 / 遺伝子工学 / 蛋白質の機能部位 / 蛋白質の構造 |
Research Abstract |
新しい機能をもった蛋白質を設計するには構造がよく研究されている蛋白質を遺伝子工学的に改造して構造と活性の変化を調べることが必要である。この目的のためにわれわれは放線菌のプロテア-ゼ・インヒビタ-SSI(Streptomyces Subtilisin Inhibitor)を部分的に改造して構造や活性の変化を調べている。SSIの遺伝子をクロ-ニングし、大量発現を行なう系を構築できたので、SSI遺伝子を遺伝子操作によって部位を指定して改造し、改造SSIを発現させ、これを精製した。 SSIの作用部位の中心は73Metであるが、これを19種のアミノ酸で置換した。置換体はいずれも抗SSI抗体と反応することから立体構造は野生体とほぼ同じであるが、作用部位残基の大きさによって阻害活性の特異性に大きな変化を生じた。すなわち、Lys置換体のみがリシルエンドペプチダ-ゼを阻害するようになり、塩基性アミノ酸Lys、Arg置換体がトリプシンを阻害するようになり、有核アミノ酸Trp、Tyr、Pheがキモトリプシンを阻害するようになった。以上のうちPheの場合を除くすべての場合にズブチリシンに対する阻害効果は野性株に対するのと同程度であった。これはズブチリシンの活性中心が比較的大きな穴になっているためと考えられた。このことはSSIとズブチリシンの複合体の結晶解析結果から示された。SSIの作用部位の周辺の一つとしてP4部位を野性株70Metから小さなGlyにすることによってSSIの73Lys置換体がトリプシンに対して阻害活性を高め、70Pheにすると阻害活性を低下させることを明らかにした。このようにP4部位を変換することによって酵素に対する阻害活性を微調整できることが明らかになった。SSIの作用部位を支える部位の変異体も作製中であり、次年度にはそれらの変異体の構造-活性相関を調べる予定である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] S.Obata,S.Taguchi,I.Kumagai,K.Miura: "Molecular cloning and nucleotide sequence determination of gene encoking Streptomyces subtilisin inhibitor(SSI)." J.Biochem.105. 367-371 (1989)
-
[Publications] S.Obata,S.Furukubo,I.Kumagai,H.Takahashi,K.Miura: "High-level expression in Streptomyces lividans 66 of gene encoding Streptomyces subtilisin inhibitor from Streptomyces albogriseolus S-3253." J.Biochem.105. 372-376 (1989)
-
[Publications] I.Kumagai,K.Miura: "Enhanced Bacteriolytic Activity of Hen Egg-White Lysozyme Due to Conversion of Trp62 to Other Aromatic Amino Acid Residues." J.Biochem.105. 946-948 (1989)
-
[Publications] S.Taguchi,K.Nishiyama,I.Kumagai,K.Miura: "Analysis of transcriptional control regions in the Streptomyces subtilisin-inhibitor-encoding gene." Gene. 84 No.2. 279-286 (1989)
-
[Publications] S.Taguchi,I.Kumagai,J.Nakayama,A.Suzuke,K.Miura: "Efficient Extracellular Expression of A Foreign Protein in Streptomyces Using Secretory Protease Inhibitor (SSI) Gene Fusions." BIO/TECHNOLOGY. 7. 1063-1066 (1989)