1989 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホリパ-ゼA_2の高機能触媒作用に必要な構造的要素の解析
Project/Area Number |
01470149
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大野 素徳 九州大学, 理学部, 教授 (30038434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇 道典 九州大学, 理学部, 助手 (30037212)
青柳 東彦 九州大学, 理学部, 助教授 (80037267)
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Keywords | ハブ毒 / ホスホリパ-ゼA_2 / アミノ酸配列 / cDNA / アクロモバクタ-プロテア-ゼI / α→β転位 / イソ酵素 |
Research Abstract |
ハブ毒の高活性型Asp-49-ホスホリパ-ゼA_2(PLA_2)と2種の低活性型Lys-49-PLA_2のアミノ酸配列を決定した。部位特異的アミノ酸残基置換を行い、構造ー機能相関を解析することを目的とする。まずAsp-49-PLA_2のcDNAの調製を行った。ハブ毒腺よりポリ(A)^+-RNA分画をとり、λgt10を用いてcDNAライブラリ-を作った。N及びC端部のアミノ酸配列に相当するヌクレオチドプライマ-及びcDNAを用いてPCR法によりプロ-ブを作製した。このプロ-ブでcDNAをスクリ-ニングし、さらに3種のヌクレオチドプロ-ブによるドットブロットを行い、クロ-ンqを得た。pUC119及び118にサブクロ-ニングを行い、ジデオキシ法により塩基配列決定を行った。翻訳領域を含む585塩基対のものであった。この結果は先のアミノ酸配列と一部(69ー81位)で異っていた。タンパク質配列の再検討を行った。タンパク質のアクロモバクタ-プロテア-ゼI消化で得られるペプチドAP7(64ー82位)をpH9で調製したが、配列解析はAsn-69を越えて進まなかった。pH6.8の消化で得たAP7に相当するペプチドの配列解析はスム-ズに進み、この全配列を決定した。この配列はcDNA配列からのものと一致した。これからAsn-Asn-Gly配列はpH9でα→β転位を起こすことがわかった。一方Lys-49ーPLA_2についても、相当するヌクレオチドプロ-ブに陽性であるcDNAクロ-ンを得ており、ヌクレオチド配列を検討中である。Asp-49-PLA_2cDNAを用いてこのタンパク質発現の実験を開始した。 この研究の途中で、Asp-49-PLA_2に類似するが異っているいくつかのクロ-ンを得た。その一つは1塩基置換(1アミノ酸残基置換)のものであった。2種のLys-49-PLA_2もこの関係にある。これらのイソ酵素がgenefamilyに由来するものか、単一geneのalternative splicingによるものか興味深い。ゲノムDNA配列の解析も開始した。
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[Publications] 吉住清美: "Purification and Amino Acid Sequence of Basic Protein I,a Lysine-49-Phospholipase A_2 with Low Activity,from the Venom of Trimeresurus flavoviridis(Habu Snake)" Toxicon. 28. 43-54 (1990)
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[Publications] 劉松原: "Purification and Amino Acid Sequence of Basic Protein II,a Lysine-49-Phospholipase A_2 with Low Activity,from Trimeresurus flavoviridis Venom" Journal of Biochemistry(Tokyo). 107. (1990)
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[Publications] 小田直子: "Cloning and Sequence Analysis of cDNA for Trimeresurus Flavoviridis Phospholipase A_2 and the Revised Amino Acid Sequence" Journal of Biochemistry(Tokyo).