1989 Fiscal Year Annual Research Report
置換クロマトグラフィ-・イオン交換法によるリチウム同位体分離の検討
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01470152
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 一良 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50023320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲 彰 名古屋大学, 工学部, 助手 (10161192)
金川 昭 名古屋大学, 工学部, 教授 (30027403)
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Keywords | リチウム / 置換クロマトグラフィ- / イオン交換法 / 同位体分離 / 吸着帯 / 界面 / pH / 原子吸光 |
Research Abstract |
核融合炉ブランケットの設計にあたっては、トリチウムの増殖比を増加させるために、Li-6を濃縮したリチウムを採用する必要があるが、イオン交換法によりLi-6濃縮すると、その濃縮費が核融合炉に投入するエネルギ-の大半を占める、という評価もあり、その採用が現実的になり得るかは、十分検討されていない。このように、Li同位体分離のコストは、ブランケットの概念や経済性に大きく影響するが、評価のための工学的デ-タが不足している。本研究は、この基本デ-タの取得を目的とするものである。 本年度は、今後の実験結果との比較の基準とする意味で、前述の評価の基礎となったLi-6濃縮実験(藤根ら、JAERI-M9735,1981)と類似のシステムを構成した。すなわち、スチレン系強酸性イオン交換樹脂SK-116を用いて、リチウム原液は酢酸リチウム、展開剤は酢酸ナトリウム、再生液は塩酸である。Li-6濃縮するためには、イオン交換樹脂カラム中を、Li-吸着帯を長距離移動させる必要があるが、高さ1mのカラムを数基直列に結合するだけでは不足で、何度も繰り返し循環させなければならない。本年度購入した液体クロマトグラフ流距制御装置は、そのために用いられ、恒温循環水槽は、カラム温度を長期間一定に保つために使用される。予備実験を行ったところ、Li-吸着帯は、目で見ただけでは、どこに存在するか、わからなかった。Li-吸着帯の界面検出は、長期間の連続分離実験に必須となるので、本年度は、吸着帯の界面検出に重点をおいて検討した。すなわち、インラインでpHメ-タ-、分光光度計、オフラインで原子吸光計を用いて調べた。その結果、分光光度計では前後端とも不検出、pHメ-タでは前端のみ検出、原子吸光計によるリチウム測定は、オフラインではあるが、前後端ともよく検出できることがわかった。今後は、後端界面をインラインで検出できる方法を開発して、実験を続けたい。
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