1990 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の栄養要求性突然変異体を利用した遺伝子導入系の確立
Project/Area Number |
01480001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米田 好文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (10124215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上口 美弥子 大阪府立公衆衛生研究所, 食品化学課, 研究員 (80201622)
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Keywords | シロイヌナズナ / ビタミンB_1要求性 / 大腸菌<thiB>___ー遺伝子 / アグロバクタ- / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
大腸菌ビタミンB_1生合成酵素(<thiB>___ー,チアミンリン酸ホスホリラ-ゼ)遺伝子の塩基配列を決定し,転写調節領域,アミノ酸配列を確定した。大腸菌転写調節領域を欠失させ植物の転写調節因子となるカリフラワ-モザイクウイルス35SRNAプロモ-タ-と結合させたプラスミドを構築した。このプラスミドを持つアグロバクタ-をシロイヌナズナ栄養要求性すなわちビタミンB_1要求性変異体外植片に感染させた。まずプラスミドの持つハイグロマイシン抵抗性遺伝子で選択するため,培地にビタミンB_1を添加してハイグロマイシン抵抗性カルス,シュ-トを再生させた。植物体にまで再生し,ハイグロマイシン抵抗性遺伝子導入体を確立した。この導入当代(T_1)植物を自殖して種子を得てこのT_2世代でビタミンB_1生合成酵素の存在を調べた。T_2世代種子をビタミンB_1のない培地に蒔いたら約3/4の個体はビタミンB_1欠乏欠損を示さなかった。すなわち植物用プロモ-タ-に結合した大腸菌<thiB>___ー遺伝子により,シロイヌナズナ変異体がビタミンB_1非依存性に戻ったことが示された。この導入体の増殖を詳細に測定した。ビタミンB_1添加培地で増殖した個体と比較して最終的な増殖は劣っていて,ビタミンB_1添加で完全に回復することが示された。このように,大腸菌<ThiB>___ー遺伝子は,シロイヌナズナ<th-1>___ー変異体を相補するが示された。その相補能は,完全でないことも示された。今後,<thiB>___ーを栄養要求性を相補するマ-カ-として,種々の培養条件で利用可能性について検討する。
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