1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久田 光彦 北海道大学, 理学部, 教授 (70000768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 俊樹 北海道大学, 理学部, 助手 (80218031)
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Keywords | 球型トレッドミル / 動物行動 / 定位行動 / クロコオロギ / 誘引歌 / 闘争歌 / 概日リズム / 聴覚介在ニュ-ロン |
Research Abstract |
オ-プンル-プ型トレッドミル球によるクロコオロギの定位接近行動の解析と、その結果を基礎とした神経回路機能研究の予備実験を行った。 1)雄の誘引歌による雌の定位接近行動を観察者の干渉なしに自動的に記録するトレッドミル装置を改良した。定位方向、積算歩行距離、実接近距離(ベクトル量)などを同時記録、算出するとともに、デ-タの蓄積が確実に行われるよう、ハ-ド、ソフトともに完成させた。これを利用して次の結果を得た。 a)何時実験を行うのが妥当かを調べた。定位行動の概日リズムを測定したところ、予想に反し日中がもっとも高く、日中実験が望ましいと判定できた。 b)羽化後日数による定位行動発現を調べた。羽日直後はこの行動は見られず、2〜3日後に除々に発現し、終生持続した。 c)雌は雄誘引歌に対してのみならず、闘争歌にも誘引されることが明らかになった。これは雄との会偶確率を高める合目的性を持つ。 d)交尾経験を有する雄にかぎって一定の隔離時間後(6〜12時間)には雄誘引歌に定位行動を示すようになる。この行動も雄の雌との会偶確率を高める目的性を持つと判断されたが、その生物学的意味の確定には、さらに解析を要する。 2)雌雄それぞれの聴覚介在ニュ-ロンの行動時の活動が記録できるよう実験装置を検討した。外部電極により記録が可能であった聴覚介在ニュ-ロンにつき、行動に見られた可塑的変化に対する神経活動変化が観察できるかどうかの予備的実験を行った。次年度はこの面での解析を主体に研究を進めることになる。
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[Publications] Hisada,M.: "The Paraneuronal Nature of Neurons:Nonspiking Communication in the Crayfish Central Nervous System." Arch.Histol.Cytol. 52. 139-146 (1989)
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[Publications] Hisada,M.: "Male Cricket is Attracted to the Calling Song of the Conspecific Male." Dobutsu Seiri. 6. 215 (1989)
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[Publications] Takahata,M.: "Local Nonspiking Interneuron as a Separate Integrator of Motoneurons in Crayfish." Comp.Physiol.Biochem.(1990)
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[Publications] Nagayama,T.: "Spiking and Nonspiking Local Interneurons in Crayfish Local Reflex Circuitry." J.Comp.Phsyiol. (1990)