1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480028
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白井 浩子 岡山大学, 理学部, 助教授 (50090478)
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Keywords | ヒトデ / 生殖巣刺激物質 / ゴナドトロピン / 放卵誘発 / 生理活性ペプチド / 生殖生理学 / アミノ酸配列分析 |
Research Abstract |
2種のヒトデの生殖巣刺激物質(GSS)のモノクロナル抗体産生ハイブリド-マを作出した。 I.イトマキヒトデの生鮮神経組織を取り出し、すでに確立されている精製法に基づきGSSを部分精製した(抽出・脱脂・ゲルロ過・イオン交換クロマトグラフィ)。この半精製標品(400匹神経から1μg回収)を抗原として抗体作製を行った。抗原量が少ないためにマウス個体に抗原を注射して感作させるin vivo免疫法を用いず、無免疫マウス脾臓からとり出した免疫細胞に抗原を直接作用させるin vitro免疫法を採用した。3日間の感作後、通常の方法に従ってミエロ-マ細胞と融合させ、ハイブリド-マを得た。培養上清を神経組織の切片を用いて間接抗体法によりスクリ-ニングしたところ、神経組織内の特異な部域を認識する抗体を産生するハイブリド-マが得られ、現在大量培養中である。 今後、上清中の抗体を大量に集め、イトマキヒトデGSSの生理活性を中和するものが確められた場合は、DNA組換え技術を導中したGSS遺伝子のスクリ-ニングに用いる。GSSを中和しなかった場合(GSSを認識しない抗体の場合)、この抗体をGSS精製に用いる。即ちイオン交換クロマトグラフィ終了時のGSS標品はまだ多くの非GSSペプチドを含んでおり、逆相分配クロマトグラフィによってもそれらのGSSとの分離が困難で、アミノ酸配列分析に支障をきたしている。そこで非GSSを抗体で吸収・除去しておくことが望ましいのである。 II.キヒトデのGSSに関しては部分的にアミノ酸配列を解析したのでこれに基づきアミノ酸16残基のペプチドを合成した。これを抗原として従来のin vitro免疫法によりモノクロナル抗体を作製した。GSSに対する中和反応に基づき、イトマキヒトデの場合と同様に扱う。
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