1989 Fiscal Year Annual Research Report
イネ遠縁交雑に認められる選択受精の発生機構の研究ーその育種的利用を展望してー
Project/Area Number |
01480039
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
平岡 洋一郎 (佐藤 洋一郎) 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (20145113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 郁郎 国立遺伝学研究所, 実験圃場, 助手 (50207867)
沖野 啓子 (森島 啓子) 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (70000247)
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Keywords | 受精競争 / イネ / アニリンブル- / 花粉管 / ga遺伝子 / モチーウルチ / GUS遺伝子 |
Research Abstract |
1.花粉管の伸長程度を測定するため、アルカリ処理+アエリンブル-染色法の最適条件を検討した。その結果、イネのin vivoの実験では、伸長量を正確に測定するには、IN・NaOH60℃で20分処理した後2%アニリンブル-で2分染色するのがよいと考えられた。また花粉管発芽の有無を調べるだけならアルカリ処理が省略できることが分った。 2.モチ遺伝子座(wx)に連鎖する受精競争遺伝子gaー1による選択受精発生の機構を1.の方法で推定した。まず親系統(Wx gaー1^+とwx・gaー1)の花粉発芽率と伸長程度に差はなかった。両者のF1では、モチ花粉とウルチ花粉が1:1に分離した。両者の花粉管長に差はなかったが、モチ花粉には不発芽のものが多く認められた。これらのことから、gaー1による受精競争は、機能的な花粉不稔性によるもので、受精競争という語から発想される花粉管伸長時の競争ではないと考えられた。 3.花粉における遺伝子発現を調査し、花粉遺伝子型のマ-カを開発する実験を試みた。まず(1)DNA染色剤を投与し(さし穂法による)、染色剤が花粉に達するかを調べた。染色剤は投与数時間でやく壁には達したが花粉には達しなかった。(2)高感度のレポ-タ遺伝子であるGUS遺伝子をイネの花粉で特異的に発現させることを検討中である。今後、この方法が近日中に確立できる見込みがついているので、GUS遺伝子の染色体上でのそう入位置を分析し、それをマ-カ-として花粉管伸長程度を調査する予定である。また同様の方法でなるべく多くの染色体にGUS遺伝子を組み込むことも検討している。
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Research Products
(1 results)