1989 Fiscal Year Annual Research Report
ニホンミツバチに関する総合的研究ー比較生態と遺伝子資源としての評価ー
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01480054
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
酒井 哲夫 玉川大学, 農学部, 教授 (60074332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 正人 玉川大学, 農学部, 助手 (70204253)
竹内 一男 玉川大学, 農学部, 助教授 (80074194)
佐々木 正己 玉川大学, 農学部, 教授 (40096061)
吉田 忠晴 玉川大学, 農学部, 助教授 (80138601)
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Keywords | ニホンミツバチ / 飼育方法 / 配偶行動 / 人工受精 / 防衛行動 / 情報伝達 |
Research Abstract |
ニホンミツバチの飼養の実態について愛媛県、熊本県、長崎県対馬で伝統的な飼育法、採蜜方法を調査した。一方、可動巣枠式巣箱による飼育法をほぼ確立した(現在15群を保有)。ニホンミツバチでは初めてプラスチック人工王椀を用いた女王蜂の人工養成も可能となった。ニホンミツバチとセイヨウミツバチの配偶行動については女王蜂、雄蜂の飛行時刻、飛行時間から14時30分項を境に2種間の生殖隔離が行われ、ニホンミツバチ女王蜂は遅い時刻(14:45〜16:00)に長い飛行で交尾することが認められた。更に、検討は必要であるが雄蜂の集合場所が東洋で最初に発見されたことは重要であった。少数例ではあるが、ニホンミツバツの人工受精が成功し、これらの選抜育種に明るい見通しが立った。スズメバチに対する防衛行動に関しては、学習が関与していることが初めて明らかになった。観察巣箱を用いてのダンスの解析も、従来のトウヨウミツバチに比較してダンスのテンポが遅いなど新しい知見を得ることができた。今後、更に継続研究は必要と思われるが、雄蜂の生産制御については働き蜂産卵の占める重要性が考えられた。ダンス解析中に偶然ではあったが、貯蜜量の減少による逃去時のダンスはこれまでにないスロ-ダンスであると言うことが判明した。プラスチック人工王椀を用いて採取したロ-ヤルゼリ-も、セイヨウミツバチのそれとは蛋白構成成分に大きな違いがあることも、新しい知見であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshida,T.: "Parasitism and reproduction of Varroa mite on the Japanese honeybee,Apis cerama japanica" Proc.Workshop on Parasitic Bee Mites and their Control.Pulawy,Poland.FAO,Rome. 233-237 (1989)
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[Publications] 吉田忠晴: "可動巣枠式巣箱によるニホンミツバツ(Apis cerana japonica Radoszkowski)の飼育法" 玉川大学農学部研究報告. 29. 41-55 (1989)