1989 Fiscal Year Annual Research Report
グリセロアルデヒド3燐酸脱水素酵素のリガンド結合協同性の解析
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01480060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 隆久 東京大学, 農学部, 教授 (30011844)
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Keywords | リガンド結合 / 耐熱性 / 協同性 / オリゴマ-酵素 |
Research Abstract |
今年度においては、研究目的を実現するために、まず、本酵素の大腸菌における大量発現系の確立を行った。 T.aquaticus gap遺伝子の開始直前の部位でtacプロモ-タ-とSD配列をもつpUC系発現ベクタ-に乗せかえたプラスミド、および本遺伝子のSD配列上流にlacプロモ-タ-を配置するようにpUC系ベクタ-に乗せかえたものを作製したところ、以後の実験に支障のない高い蛋白質発現を実現することができた。 次にすでに類縁酵素のX線立体構造が明らかにされているので、それに基づいて、酵素表面のアミノ酸残基間の静電結合の本酵素の安定性に寄与を解析するためにE168→V、D225→Aの部位特異的変異を導入した。 この変異酵素を大腸菌により生産し、野生型酵素と基質濃度依存性、pH依存性を測定したが、大きな差はなかった。構造と安定性については円二色性スペクトル、熱処理後の残存活性、塩酸グアニジン濃度変化および温度変化に伴う円二色性変化を追跡したが、差がみられず、従来考えられていた表面電荷の影響は大きいものではないと考えられる。 本酵素の補酵素結合の協同性を解析するために、補酵素をすべてとり除いたアポ酵素の調整とアフィニティ-クロマトグラフィ-を行ったが、著しい差は見られなかった。 gap遺伝子の下流に存在する翻訳領域の解析を行ったところ、ホスホグリセリン酸キナ-ゼの一部であることがわかり、gap遺伝子とpgk遺伝子が終止コドンを介してオペロンを形成していることがわかった。
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