好温性ラン藻P.lapideum酵素に関する基礎的応用的研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01480062
• Research Institution: Shimane University
• Principal Investigator: 落合 英夫 島根大学, 農学部, 教授 (10032971)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 澤 嘉弘 島根大学, 農学部, 助教授 (70127489) ; 柴田 均 島根大学, 農学部, 教授 (40032601)
• Keywords: ラン藻 / Phormidium lapideum / アラニン脱水素酵素 / アスパラギン酸アミノトランスフェラ-ゼ / アミノトランスフェラ-ゼ / GOT / 形質転換 / クロ-ニング

Research Abstract

1.アラニン脱水素酵素(ADH).
好温性ラン藻<Phormidium>___ー <lapideum>___ーのADHを均一になるまで精製し、SDSーPAGE後,PVDF膜にブロッテイングさせアミノ基末端側アミノ酸配列の分析を行った。また<P.lapideum>___ーの染色体DNAを常法により調製し、制限酵素<Hind>___ー IIIで処理後その4ー6Kb断片を集めて,pUC19ベクタ-に挿入した。得られたrecombinant DNAを<E.coli>___ー MV 1190株に形質転換し、Amp,IPTG,Xgalを含むLBプレ-トで培養した。クロ-ン選択のためにNitroBlue Tetrazoliumの発色を利用した,レプリカプリンテイングアッセイを行い、その結果約3500個のコロニ-より2個のクロ-ンが得られた。このクロ-ン化ADHを各種クロマトグラフィ-により均一にまで精製し、<P.lapideum>___ー由来ADHと酵素化学的性質の面から比較、検討を行ったところ,
(1)耐熱性:50℃まで安定、55℃で約40%失活、65℃で完全に失活
(2)Km値:NH_3,40.,Pyruvate,0.5.,NADH,0.031LーAla,5.,NAD^+,0.05mM
(3)最適pH:アミノ化反応ではpH8付近
脱アミノ化反応ではpH9付近
となりほぼ等しい値を示した。
2.アスパラギン酸アミノトランスフェラ-ゼ(AAT).
1.と同様な操作を経て、<P.lapideum>___ーより5480倍にまで精製されたAATをSDSーPAGEで分離し、PVDF膜へブロテイングさせアミノ末端側アミノ酸配列25残基を決定した。他種AATとの比較解析の結果、本酵素は<Bacillus>___ー属由来の耐熱性AATとは極めて高い相同性を示したが、大腸菌AATや古細菌<Sulfolabus>___ー AATとは低い相同性しか示さなかった。

Research Products

• [Publications] Hideo OCHIAI: "Barium Ion Encourages the Growth of Cyanobacteria." Bull.Fac.Agric.Shimane Uni.,. 24. 239-245 (1990)
• [Publications] 落合 英夫: "ラン藻類の増殖に対するバリウムの効果" バイオサイエンスとインダストリ-. 48. 661-663 (1990)
• [Publications] 落合 英夫: "ラン藻ーこの偉大なる生物ーの生理、生態、分子生物学" 防菌防黴. 19. (1991)
• [Publications] Hideo OCHIAI: "Transformation of Filamentous Cyanobacterium,<Phormidium>___ー <lapideum>___ー."