1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮崎 安貞 九州大学, 熱帯農学研究センター, 教授 (40038336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 哲郎 九州大学, 農学部, 助手 (00194374)
荒上 和利 九州大学, 農学部, 助手 (00038340)
井上 晋 九州大学, 農学部, 助教授 (20038342)
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Keywords | ナラ類 / 生態遺伝 / 主成分分析 / 地域的変異 |
Research Abstract |
初年度に当る本年度は、九州地方に自生するナラ類のうちコナラ、カシワ、ミズナラ、ナラガシワ、オオバコナラを対象として長崎県対馬、同県五島、同県平戸、熊本県五木、大分県久住、鹿児島県えびのにおいて現地調査を行った。その結果、これまでに得られた成果は次の通りであった。 (1)コナラ:九州地方の対馬及び上五島のコナラ集団と北海道の厚真及び富内のコナラ集団の特性を主成分分析によって比較した結果、北海道産コナラは葉は星状毛が多く、鋸歯は円頭で少なく、堅果は丸いのに対して九州のそれは葉は星状毛少なめで、鋸歯はより尖り、多く、堅果は細長いなど顕著な地域的変異性が認められた。 (2)カシワ:九州及び北海道のそれぞれの集団は若干の重なりはあるもののかなり明瞭に区別できる。北海道の集団は、葉は大きく、葉柄が長いが、堅果、殼斗ともに小型である。一方、九州の集団は葉が小さく葉柄は短いが、堅果、殼斗は大型であるなどの差異が認められた。 (3)カシワ・ナラガシワ:主成分分析によって九州五島のナラガシワと北海道のカシワの形態的特徴を比較してみたところ、ナラガシワはカシワに比べて鋸歯は尖り数が多く、葉は小型で毛は少なく、鱗型はカシワほど毛状ではなく、両種は明らかに2樹種であることを確認した。 (4)コナラ・ナラガシワ・オオバコナラ:主成分分析の結果、第1主成分は堅果及び殼斗の大きさと相関が高く、オオバコナラ<コナラ(九州)<コナラ(北海道)<ナラガシワという順序が認められた。 (5)産地試験:試験地は九大早良及び九大北海道演習林に新設した。 次年度からは本州及び四国地方のナラ類について研究を展開していくよう計画している。
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Research Products
(2 results)