1989 Fiscal Year Annual Research Report
植物プランクトンの産生する生理活性ペプチドに関する研究
Project/Area Number |
01480081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 勝己 東京大学, 農学部, 教授 (50011896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 昌弘 東京大学, 農学部, 助教授 (70134517)
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Keywords | 植物プランクトン / 藍藻 / 緑藻 / アンジオテンシン変換酵素 / プロテア-ゼ / 酵素阻害 / ペプチド |
Research Abstract |
植物プランクトンの産生する生理活性ペプチドの探索を行い、以下の成果をあげることができた。 1.生理活性ペプチドのスクリ-ニング 国内外より入手した各種植物プランクトンを大量培養し、18種の凍結乾燥藻体から、水溶性と脂溶性画分を調整し、アンジオテンシン変換酵素、パパイン、エラスタ-ゼ、トリプシンおよびキモトリプシンの阻害活性を、得られた両画分について検討した。アンジオテンシン変換酵素阻害活性が、藍藻Microcystis aeruginosa、M.viridisおよびM.wesenbergiiの水溶性と脂溶性の両画分に0.25mg/mlで認められたほか、緑藻Botryococcus braunii、Dunaliella bardawilをはじめ8藻種の水溶性画分と、5藻種の脂溶性画分に認められた。パパイン阻害活性は14藻種の水溶性画分と全藻種の脂溶性画分に、エラスタ-ゼ阻害活性は2藻種の脂溶性画分のみに、トリプシン阻害活性は5藻種の水溶性画分と8藻種の脂溶性画分に、キモトリプシン阻害活性は4藻種の水溶性画分と7藻種の脂溶性画分に認められた。 2.アンジオテンシン変換酵素阻害物質の単離・精製 アンジオテンシン変換酵素阻害活性のスクリ-ニングで活性の認められた緑藻Dunaliella bardawilとBotryococcus brauniiの水溶性画分より、ゲルろ過などにより阻害物質を精製した。得られた阻害物質を酸加水分解後アミノ酸分析したところ、それぞれ10種のアミノ酸が認められ、いずれもペプチドであると推定され、50μg/mlの濃度で阻害活性を示した。さらに、藍藻M.aeruginosaより、溶媒分画、イオン交換および逆相系の高速液体クロマトグラフィ-により阻害物質を単離した。この物質は、FABMS、各種NMRなどにより、Ala、Val、Tyr、N-methyltyrosineおよび2-amino-3-hydroxy-8-methylnonanoyl acidより成るペプチドであると推定され、7μg/mlの濃度で阻害活性を示した。
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Research Products
(1 results)