1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河本 馨 東京大学, 農学部, 教授 (30011894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 不学 東京大学, 農学部, 助手 (20175160)
酒井 仙吉 東京大学, 農学部, 助教授 (80114487)
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Keywords | 乳腺上皮 / 細胞培養 / カゼイン分泌 / αカゼイン / βカゼイン / 抗カゼイン抗体 / プロラクチンレセプタ- / カゼインcDNA |
Research Abstract |
1.乳腺上皮の無血清細胞培養系における乳蛋白質の合成分泌:(1)マウス乳腺をコラ-ゲンゲル上に浮遊培養する系を用い、培養液中にカゼインを分泌させた。培養液を電気泳動しカゼインの3つの主要構成成分に分画し、ウェスタンブロットしてカゼインに特異的なポリクロ-ナルおよびモノクロ-ナル抗体を用いて検出した。αカゼインは、インスリンのみでも分泌がみられるのに対し、βカゼインの分泌はインスリンとともにプロラクチンを必要とする。 (2)カゼインに対するモノクロ-ナル抗体を作った。この抗体はウエスタンブロット法で、それぞれαカゼインとβカゼインを特異的に認識する。これを用いて、乳腺の組織切片を酵素抗体法で染色したところ、基底膜側の細胞は染色されず、腺膣側細胞のみ染色された。 2.カゼインcDNAの調製とゲノムDNAのクロ-ニング:(1)αカゼインcDNAと思われるDNAをクロ-ニングした。このDNAは約700塩基対であり、全長の半分であると思われる。 (2)このcDNAをプロ-ブとして、DNAライブラリ-からゲノムDNAをクロ-ニングし、1クロ-ンを得た。これらDNAを現在、同定中である。 3.プロラクチンレセプタ-の精製とプロラクチン結合の熱力学的特性の解析:(1)兎乳腺のミクロソ-ム分画から、イオン交換クロマトグラフィ-、ConAカラムクロマトグラフィ-、モノクロ-ナル抗体によるアフィニティ-クロマトグラフィ-により、プロラクチンレセプタ-を精製した。精製蛋白質の中には、なお分子量の異なる3種類の分子が混在するが、それらはプロラクチン結合を有するのでレセプタ-であることは疑う余地がない。 (2)プロラクチンとレセプタ-の結合の熱力学的特性の解析から、この結合は予想以上に安定なものであることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kohmoto,Kaoru: "乳蛋白質の遺伝子の特徴とその発現機構" 酪農科学の研究. 37A. 311-317 (1988)
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[Publications] Mori,Chisato: "Immunohistochemical localization of prolactin receptor in the rat liver." Acta histochem.cytochem.21. 143-148 (1988)
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[Publications] Murakami,Hiroshi: "Monoclonal antibody detection of prolactin-binding subunits in the rabbit mammary gland." Biochem.J.256. 917-922 (1988)
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[Publications] Sakai,Senkiti: "Interaction between prolactin and rabbit mammary prolactin receptor in the presence of environmentmodifying agents." Endocrinol.Jpn.36. 721-726 (1989)
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[Publications] Sakai,Senkiti: "Mechanism of action of mono- and bivalent salts on the binding of prolactin to the receptor in rabbit mammary gland." Endocrinol.Jpn.36. 727-731 (1989)
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[Publications] Sakai,Senkiti: "Thermodynamic analysis of the interaction of prolactin with its receptor in the rabbit mammary-gland microsomes." Biochgm.J.(1990)
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[Publications] Kohmoto,Kaoru: "KyotoProlactin Conference Monograph 4" Kazumasa Hoshino, 6 (1989)
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[Publications] Sakai,Senkiti: "Kyoto Prolactin Conference Monograph 4" Kazumasa Hoshino, 9 (1989)