1989 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマ-カ-による家畜・家禽の品種集団構造の解析
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01480093
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 孝雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (60021698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 守 岐阜大学, 農学部, 助手 (60180212)
木村 正雄 岐阜大学, 農学部, 教授 (10021693)
田名部 雄一 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021679)
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Keywords | ミトコンドリアDNA / ウズラの遺伝的変異性 / イヌの制限酵素切断型変異性 |
Research Abstract |
本年度(初年度)は、イヌ、ニワトリ、ウズラについて供試動物の確保、試料の収集等が予定通り進展した。また備品として購入した卓上型分離用超遠心機を駆使して、従来より精製度の高いミトコンドリアDNA(mtDNA)を分取することが可能になった。ウシについては本年度は試料の確保が難しく、次年度に持ち越すこととした。 合計13犬種、97頭の犬について白血球mtDNAの分析を行った結果、6塩基対認識制限酵素ApaIとEcoRVで遺伝的変異が認められた。そこで犬種間または品種内変異を詳細に検討した結果、琉球犬、済州島犬、柴犬、シエパ-ド並びにビ-グル犬に種間または品種内変異が認められた。さらに4塩基対認識制限酵素HinfIとHpaIIで調べた結果、HpaIIでは変異は検出されなかったがHinfIでは変異が認められた。 一方ウズラにおいては、12羽の雌ウズラを供試して、7種類の制限酵素でその切断型変異を調べた結果、制限酵素Bg1IIとEcoRIについては固体変異が検出されなかったが、ApaI、BamHI、HindIII、MluI及びNheIにおいて固体変異が認められた。分析の結果、2種類の泳動像が検出されたものと3種類の泳動像が検出されたものとに分かれた。検出された変異の割合は9:1あるいは7:1(HindIII、BamHI)、6:3あるいは6:5のもの(ApaI、MluI、NheI)が存在した。これらの結果は実験用マウス等に比較して、予想以上に多くの割合で切断型変異が存在することを示すものである。 ニワトリについては現在5鶏種、50羽について実験を継続中である。
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[Publications] 谷口雅彦,坪井晃子,中村孝雄,田名部雄一: "犬におけるミトコンドリアDNAの制限酵素切断型変異" 第82回日本畜産学大会. 講演要旨集. 35-35 (1989)
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[Publications] 木村正雄,藤井卓雄: "野性ウズラと家禽ウズラ集団における遺伝的変異性" 日本家禽学会誌. 26. 245-256 (1989)
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[Publications] K.M.cleng(U.B.C.),宮地博信,藤井卓雄,木村正雄: "体重大ヘ選抜されたウズラ集団の遺伝的変異性" 日本家禽学会1989年高松大会. 講演要旨集. 19-19 (1989)
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[Publications] 丸谷利幸,犬飼美穂,中村孝雄,田名部雄一: "ニワトリの松果体および眼球の除去が血漿メラトニンの日周リズムに及ぼす影響" 第82回日本畜産学会大会(酪農学園大学). 大会要旨. 41-41 (1989)
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[Publications] 谷口雅彦,坪井晃子,中村孝雄,田名部雄一: "犬におけるミトコンドリアDNAの制限酵素切断型変異について" 第83回日本畜産学会大会(宇都宮大学3月予定). 大会要旨. (1990)