1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01480094
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 光昭 名古屋大学, 農学部, 教授 (20035976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 毅 名古屋大学, 農学部, 助手 (30191951)
横田 浩臣 名古屋大学, 農学部, 助教授 (40023478)
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Keywords | 稲わら / アルカリ処理 / 反芻家畜栄養 / サイレ-ジ / アルファルファ緑汁液 / イタリアンライグラス緑汁液 |
Research Abstract |
イタリアンライグラスおよびアルファルファを圧搾して得た緑汁液を、直接あるいは混合する稲わら乾物の4%に相当する水酸化ナトリウムあるいはアンモニアを添加後、水分含量70%になるように稲わらと混ぜて嫌気条件下で貯蔵した。緑汁液の添加により稲わらサイレ-ジの粗蛋白質含量は3〜4%増加し、アンモニア処理によりさらに著しく増加した。いずれの草種を用いた場合も、緑汁液のみを添加すると発酵品質が改善されたが、アルカリ処理をした緑汁液の添加はサイレ-ジの酪酸およびアンモニア含量を著しく増加させた。しかしこのようなサイレ-ジ品質の低下も、家畜の食欲に影響を及ぼすことはなかった。緑汁液のみを添加した稲わらサイレ-ジの消化率は緑汁液が異なっても変わらなかったが、窒素蓄積量はアルファルファ緑汁液を用いた場合の方が多かった。アルカリ処理を行うと、繊維成分の消化率が高まるうえ窒素成分の利用性も向上し、なかでもアンモニア処理による効果の方が大きかった。以上の結果は、緑汁液を添加した稲わらサイレ-ジ中の窒素含量ではル-メン内微生物の最大活性を得るには不十分であり、アンモニアの添加によりこの不足が解消されたことを示している。このことは、蛋白質含量の高いアルファルファ緑汁液を用いた場合の方が、イタリアンライグラス緑汁液を用いた場合に比し、水酸化ナトリウムおよびアンモニア処理を行った両サイレ-ジ間の消化率の差が小さかったことからも明らかである。水酸化ナトリウム処理をしたものを給与すると、無処理のものに比し蛋白質消化率は変わらないにもかかわらずル-メン内アンモニアおよび血中尿素態窒素濃度が低下し、尿中窒素量が減少した。この結果は水酸化ナトリウム処理による繊維成分の消化性向上、すなわちル-メン内発酵性エネルギ-の増加により微生物体蛋白質の合成が促進されたことを示すと考えられるが、さらに詳細な検討を行う予定である。
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